今回で心の中は終わりです。あと3話ほどやってepisode6.5は終わります。
神様は罰を欲していると言った。俺はてっきり、過去をやり直したいとばかり思っていた。過去のことばかりしか考えてないと。
でも、本当は違った。神様は神様なりに前を向こうとしている。神様は確かに過去に関して悔いはあるかもしれない。っていうかある、絶対にある。
それでも、神様は前を向こうとしていた。前に向こうとしているけど、前に向けないから俺たちに頼ったんだ。
やる事は少し子供っぽいけど、立とうとはしている事を感じられた。俺たちに迷惑にかけたという事を負い目として感じている時点で、彼女は俺たちの方を向いていた。
ただ、あと少しの力がない。立ち上がり、足を踏み出す力が、勇気が、度胸が、根性がない。そして、過去が彼女の体にまとわりつく。それが、彼女の力を吸い取り、過去に縛りつけようとする。
それでも、やせ細ったその体で
ココも同じ気持ちであった。ココは神様に微笑んだ。
「大丈夫ですよ。私達はいつでも
ココのその言葉は神様の背中を押した。神様は前に一歩踏み出した。
俺も神様の背中をポンと押そうとした時、俺の手がふと止まった。
やせ細った体で今にでも骨がポキンと折れてしまいそうな状態である。そんな神様の背中をポンと押したら足の骨が折れて前に歩くことが出来なくなってしまいそうだった。自らの足で歩くことに意味があるのに、自ら歩くことが出来なくなってしまう。そして、また過去に引きずられてしまうかもしれない。
そんな事を思っていたらココが言った事を思い出した。
私が、誰かが、挫けそうになった時、そっと背中を押してはくれませんか?
その言葉を思い出すと、俺の手は神様の背中に当たっていた。そして、その手が神様の背中をそっと押した。前に歩くために、そっと背中を押してあげた。
「神様、あんたはもう大丈夫だよ。誰にも裏切られやしないさ。あんたは子を産んだんだ。守護霊っていう優しい子たちを産んだんだ。あんたは一人じゃないし一人になりもしない。あんたが一人になる時はあんたが今の人生を諦めた時だけだよ」
神様はココの方を向いた。ココはニコッと笑った。
「じゃぁ、神様はお母さんですか?」
「そうじゃね?ほら、親孝行しろよ」
俺がそう言うとココは神様の手をとった。
「さぁ、ここから出ましょう。神様‼︎」
「いや、神様じゃねぇだろ」
「ええ‼︎…………コホン。お、お母さん?」
「いや、ぎこちないな。もっとシャキッとしろよ」
俺がダメ出しを入れるとココは少し気まずそうにした。でも、案外ノリ気でもあった。
「お、お母さん……」
こりゃ、ダメダメだな。俺はハァッとため息をついた。安息のため息を。
神様は涙ぐみながら頷いた。
「すまぬ、すまぬ……ありがとう……」
神様はいつまでも謝っていた。
神様も、背中はとっても小さいんだ。何かに悩み、何かを抱え込む。重かっただろう、その苦しみは。