こんな奴でも青春したいっ‼︎   作:Gヘッド

200 / 392
はい!Gヘッドです!

今回はめちゃくちゃいい回にしたつもりです。

さぁ、今回で、やっとやっと終わるんです。長かったepisode6.5が‼︎

あと、7月は諸事情により、もう更新できません。次は8月の1日か2日からです。


二人の影は重なった

ココは神様と契約を解除した。もちろん、俺の要求通り、ココの姿のままである。

 

そう、ココの姿は元通り。俺の目の前にいるのはいつものココであり、ココが見ている俺もいつもの俺。なのに、お互いは相手をいつものように見ることなんてできやしない。いつものように見ているつもりでも、心のどこかで思っちゃってるんだ。

 

今までの関係に俺は戻りたいし、ココもそう思ってる。でも、記憶の中に今回の心の中の件が(きざ)まれていて、それが関係をかき乱す。今までの二人の仲はもう前みたいになりはしない。

 

それでも、今回の件をなかったことにしようとして心の奥底に出てこないように押し込んでいる。前までの仲でいたいがために、平静を(よそお)っている。

 

だって、俺、前までの仲が好きだったから。

 

変わりたくないんだよって心にそう言い聞かせている。

 

心がパンクしないように。

 

 

 

 

 

 

 

神社で色々あったけど無事にココを連れて帰ることができた。神様はココの魂をお守りに入れてくれたし、ココが佳代にならないでよかった。

 

俺は神崎と五条に礼を言った。神崎と五条は笑いながら「よかったな。戻ってこれて」と言った。俺はその言葉を聞いて嬉しさが心の底からこみ上げてきた。けれども、何かが少し引っかかったのも事実であった。

 

俺とココは神社から家への帰り道の途中にいる。二人で話しはした。けれども、やっぱり二人とも少しその会話に違和感を感じてしまった。

 

いつもとは違う。

 

前までの俺たちの仲を『いつも』と見てしまっているのだ。これじゃ、いつまで経っても空回(からまわ)りしそうである。

 

俺とココの影はとても長くなっている。冬に近づくに連れて太陽の高さは日に日に下がる。それでも、長い影は重ならない。

 

「光牙様は帰ったら何が食べたいですか?」

 

「ん?俺は鰻とか高いやつ」

 

「さすがにそれは……ちょっと……」

 

そんな何気(なにげ)ない日常会話を話している。お互い考えていることはもっと深刻なことなのに。それでも、察しられたくないという思いがその会話を作っている。

 

一歩一歩と歩きながらも、考えは何も進んでなんかない。

 

二人の会話は自然と絶えた。続かなくなってしまった。すると、ココはついに言った。

 

「光牙様は私をどう見ているんですか……?」

 

ココは足を止めた。俺もそれにつられて足を止めてしまった。

 

もちろん、その手の質問は確実に来ると思ってた。あやふやのまま終わらせていただけに、可能性は十分高かった。

 

「そりゃ、もちろん家族とーー」

「そ、そういうのではないんです……。その……女性として、異性として……」

 

張り詰めた雰囲気になってしまった。一番俺が避けたかった事態に衝突してしまった。

 

この状況で、もし俺の答えが間違った答えを言ってしまったら、多分今以上に二人の仲が前より遠ざかるだろう。

 

前の仲が良すぎたから、俺はその良すぎたものを求めてしまう。求めても、もう手に入れられないとわかっているのにあがいてしまう。

 

俺は考えたけど答えは出なかった。出したくなかった。もし、出た答えが今の関係をもっと悪化させるのが怖かったから。俺は弱虫(チキン)だから。

 

「俺は……」

 

出るはずのない答えを探していると、ココはそれを察してしまった。俺はその時、しまったと思った。

 

ココはそんな俺を見ると少し顔を変えた。諦めのような顔であった。でも、すぐにいつもの顔に戻した。ココは俺の目の前に立った。そして、右手の平を俺に向けた。

 

「いや、やっぱりいいです」

 

「え?」

 

「だって光牙様はそういう人だからって知ってるから。誰も傷つかないように思う人だから。だから、光牙様は絶対に遠慮する。嘘じゃないけど、本心でもない言葉を言うんだ」

 

ココはニコッと笑った。今まで見た中で一番の笑顔。それは、元気付けようという笑顔ではない。ただ、笑いたいから。それだけである。誰のためでもない。自分のためでもない。なんとなく笑ってる。なのに、そんな笑顔が俺には一番輝いて見えた。

 

「だからっ、私は頑張る。光牙様が、心から、本心から『好きだ』って言われるような(ゆうれい)になるまで。光牙様の『誰かのため精神』でさえも抑えきれないぐらいの好意を持せます‼︎それで、ギャフンと言わせてやるんですっ‼︎」

 

俺はそれを聞いたらため息が出た。また、めんどくさいことに巻き込まれそう。

 

でも、

 

「いいぜ、受けて立つ‼︎」

 

って言ってしまった。

 

「あっ、あともう一つ言い忘れてました」

 

「なんだよ……」

 

ココは俺に抱きついた。

 

「約束、守れましたね。この地で、愛する人にまた会えた」

 

「それはどっちの約束?」

 

「両方です。光牙様は斎正さんの生まれ変わりなんじゃないかってぐらい似てますもん」

 

「一緒にされたら困る。俺は俺だ」

 

「ふふっ。そうですね」

 

ココはクスッと微笑んだ。

 

「あと、一つ、その、お願いを……」

 

「何?」

 

ココは手を差し出してきた。

 

「手、手を、つな……いで……」

 

なんだ、そんなことか。そう思った俺はココの手を握ってあげた。

 

ココは顔が真っ赤である。太陽に照らされているのに、それよりも真っ赤。太陽は俺じゃねぇわ。俺の隣に太陽があった。

 

二人の影は重なった。

 




いやぁ、長かった。次はepisode7。生徒会選挙のお話をやるつもりです。また、episode7はもしかしたら、柚子木くん以外もある一人の人物が主人公になるかもです。つまり、ダブル主人公です。まぁ、これは訳ありなんです。詳しい詳細は次回‼︎
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。