こんな奴でも青春したいっ‼︎   作:Gヘッド

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写真撮影

「お〜い。安平〜。入るぞ〜」

 

俺たち3人は新聞部の部室に入る。安平は相変わらず忙しそうにしている。他の部員に電話をかけて日本全国の情報を仕入れている。そして、それを来月の新聞のためのネタにするらしい。

 

うちの学校の新聞部はプロ顔負け。そんじょそこらの新聞部とは訳が違う。他の学校は部活としてだが、この学校の新聞部は部活ではない。もう仕事と言ってもいいぐらいである。

 

そんな新聞部に赤石のポスターの写真を撮ってもらう。この写真は生徒会に入った時、生徒会のパンフレットに載せる写真でもある。そのためちゃんと撮っておかねばならない。

 

安平は紙の山の中に埋もれていた。

 

「おい。あんた何してんの?」

 

「ん?ああ、柚子木くん。ごめんね。ちょっと今頭の中がこんがらがってて」

 

安平はそう言うと紙の山の中から出てきた。彼女の上に積もってた紙が宙に舞う。すごく紙の無駄遣(むだづか)いのような気がしてならない。

 

「それは仕事のやり過ぎなだけですよ」

 

「う〜ん。そうかなぁ。でも、私、ちゃんと寝てるよ!」

 

「どのくらい?」

 

「1時間くらい」

 

「オッケー。あんたの首の後ろに手刀をかませてやる」

 

「ヒドイ‼︎私、ちゃんと寝てるよ!眠りの質はちゃんと取ってる‼︎」

 

「質より量に決まってんだろあんた過労で死ぬよ?」

 

俺が念を押して言うと、安平は少しドヤった。

 

「大丈夫。もう、忙しすぎて何回か死んでるから」

 

安平のその言葉はすごく信憑性(しんぴょうせい)が高い。本当にもう何回か死んでそう。

 

俺と赤石、小深、安平は他の教室まで来た。その教室にはもう撮影機材は全て整っていた。

 

小深は撮影機材を見て驚いた。

 

「すごい、これ全部プロとかが使うやつよ。照明も、カメラも、全部ちゃんとあるじゃない。ちょっと、何でこんなところにあるの?」

 

小深が感心していると、安平が「ふっふっふ〜ん!」なんて言いながら胸を張った。なんか、ちょっと調子に乗ってきているみたいで少しうざかった。

 

「これは我が新聞部が持っている機材なのです‼︎あらゆる写真撮影に対応できるように機材は全て倉庫に置いております!今日は皆さんが来るというので早めのうちにセットしておきました!」

 

小深は目を輝かせている。が、俺と赤石はそのありがたみがまったくわからない。普通のカメラでもいいのではと思ってしまう。

 

小深はその機材設備に興奮している。で、しまいにはこんな事を言い出した。

 

「私も撮りたい‼︎」

 

その要望は調子に乗った安平に即オッケーされた。まぁ、ここまでちやほやされてたら嬉しいんだろうな。

 

さらに、安平はちょっと持って来る物があると言って教室を出た。そして、数分後、安平は色々な服を持ってきた。

 

「この中から好きなものを選んでください!それで写真撮影しましょう!」

 

それを見ていた俺と赤石は口をぱっくりと開けて唖然(あぜん)。なんとも言えない。

 

小深は安平が持ってきた服のレパートリーの多さにまた感激。どれを着ようか迷っている。

 

そしたら安平は「気になる服全部着ちゃっていいですよ。やっぱりモデルさんに着てもらった方が服も喜びます」と言った。そんなこと言われたら小深も調子に乗ってしまう。

 

小深と安平の会話はもう赤石の事なんか忘れていた。俺は二人に「赤石のポスターが先だ」と言おうとした。でも赤石が俺の腕を掴んだ。

 

「いや、光牙。行かなくてもいい」

 

「いいのか」

 

「うん。こういう風に賑やかなのも少し好きだ」

 

赤石は持っていた本を机の上に置いた。

 

俺と赤石はその後ろに席を出して小深の写真撮影を見ていた。小深は冬服を上手に着こなしている。さすが、元モデル。写真の写り方が上手い。

 

赤石は二人が写真撮影しているのを楽しそうに見ている。俺はそんな赤石にこんな事を言ってみた。

 

「なんか、変わったな。お前」

 

「そうか?」

 

「まぁ、結構な。前は近寄りがたい雰囲気だったし、1人が好きそうだったから。こういうのは嫌いかなってずっと思ってた」

 

「まぁ、前までは確かに好きではなかった。馬鹿馬鹿しいと思っていた。でも、周りの人が優しく接してくれて、誘ってくれると楽しくなるものだ」

 

「そんなもんなのか?」

 

「ああ、経験者として」

 

赤石はフッと笑った。

 

すごく柔らかい笑顔をするようになったものだ。

 

 

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