赤石が制服姿で被写体になる。赤石だって小深に劣らず普通に可愛い。そんな可愛い二人を立て続けにとってる安平の鼻息は荒くなる。
「いいですよぉ〜。いい感じです〜。あっ、そこは少し首を右に傾げて〜」
写真を撮るのは安平の趣味らしい。いい被写体を撮るのなら、撮る方も腕が鳴るだろう。
小深はそんな赤石をニヤニヤしながら見ていた。すごくゲスい顔をしてやがる。
「お前、今何を企んでる?」
「由美はモデルの原石だよ。しかも、その原石はとても大きい。絶対に磨けば売れる‼︎」
小深の脳内が一万円札で満たされている。どうせ現実そんな簡単に行くわけないのに。
「ってか、お前もうグラドルの仕事はやらないの?」
「え?私?」
「いや、お前しかいねぇだろ」
「あ〜あ、私ねぇ〜。う〜ん、まだあんまり決めてないんだよねぇ〜」
今、小深は元々やっていたグラドルの仕事を休止中である。辞めるのか、辞めないのかは俺たちが関与してはならない。彼女自身の問題である。それを決めるのは彼女だけ。
俺は迷ってる小深にこう聞いてみた。
「今の学校は前と比べて楽しいか?」
「うん。まぁ、なんだかんだ言って、今までの学校生活の中で一番楽しいのかもしんない」
「友達の数は結構減ったみたいだけど」
赤石は手を膝のところまで伸ばす。膝を少し曲げて腰を少し曲げる。
「友達は数なんかじゃないんだよ。どれだけ自分の思っていることを、本心を打ち明けられるのかなんだよ。上辺だけの関係じゃなくて、本当に腹を割って話すことができる人こそ友達なんだ。友達は減ってなんかない。元々友達はあんただけだった。けど、今は違う。手で数えられるくらいだけど一人よりかは遥かに多い。そうだと思わない?」
「……何黙ってるの?」
俺の目は小深の豊満な胸に釘付け。膝を曲げ、腰を少しかがめたから彼女の豊満な胸がさらにエロく際立つ。つかただ単にエロい‼︎何?誘ってんの?え?襲っちゃうよ?モフモフしちゃうよ?
が、そこは天才なる俺の理性を司る左腕。俺の欲望の右腕を押さえつける。そして、なんとかその場は凌いだ。
しかし、そこは魔性の女・小深。男の視線がどこに向いているかをすぐに察知する。
俺の視線が小深の豊満な胸に向いていることを知ると小深は俺にイタズラをしてくる。俺の腕に抱きついてきた。もちろん、ギュッと。
そしたら、どうなるかわかるであろう。彼女の胸が俺の腕にモフッて‼︎ヤバい‼︎ヤバい‼︎俺の欲望が抑えきれないよ‼︎
さらに小深は俺に上目遣いをしてきた。そりゃ、もうこんなエロ可愛い奴にそんなことされたら男は即ノックアウト。ここまで頑張った俺を褒めたためてほしいくらいだね‼︎
俺の右腕が左腕から逃れて小深のボディに触ろうとした時、頭の上から何かを落とされた。すごく痛い!
赤石が持っていた本である。俺は目の前を見た。赤石が睨みつけるように俺たち二人を見ている。けど、なぜか笑顔である。スゴく不気味な笑顔。
「何をしているの?」
赤石の笑顔の中から殺意を感じられた。背中がぞくっとした俺たち二人は頭を冷やす。
「撮影は終わったよ。じゃぁ、さっさと戻ろうか?」
「う、うん。そ、そ、そうだね!」
そして、俺たち三人は安平に礼を言ってその教室をあとにする。
そのあと、赤石は縄張り争いをしている獣みたいに小深を睨んでた。
「いや〜、今日も平和だねぇ〜」
「どこが平和じゃ‼︎」
「どこが平和じゃ‼︎」
俺は二人に思いっきり後頭部を殴られた。
でも、後々になってわかる。本当に平和だった。けど、選挙前日になって平和が一瞬で崩れることを俺はまだ知らない。