生徒会選挙まであと4日。
今、GHBの部室には俺と門川しかいない。他の女子勢は服を買いに早く帰りやがった。
門川は携帯で誰かと連絡を取っている。なんか、この頃門川が携帯をいじくる頻度が高くなっている気がする。いや、門川だけではない。広路もである。二人は携帯の中でイチャイチャラブラブやっているのだろうか。それとも、別の人と……⁉︎
が、別に俺にはどうだっていい話。関係ないし、興味もない。他人の恋事情なんか聞いたところで何の面白みも感じない。
だって、どうせ高校までの少ない恋の期間なんだ。そんなものは春風のようにやってきたと思えば、とっくのとうに過ぎている。そんなものである。恋なんてどうせつまらない。それなら一生に残る事をしたほうが俺はいいと思う。まぁ、その恋が一生に残るというのなら別なんだが、そんな恋はまずそうそうないだろう。
どうせ、俺には来ないさ。
俺はふとこう思ってしまった自分が怖く思えた。俺は最初、高校生活を満喫しようと思っていた。けど、今となってはこのありさまである。人は半年でここまで変わってしまうものなのかと俺は思った。そして、変わった人が自分自身であるのも少しばかり怖かった。
俺は門川に話しかけた。静かな所にいるのは嫌だから。
「部長」
「ん〜?何?」
「今、ここにいるの男だけだから言いますけど、部長って今誰が好きなんですか?」
俺の単刀直入の質問に門川はすごく戸惑う。今さっきまで携帯にしか目を向けていなかったのに、いきなり俺に目を向けた。
「え?き、急にどうした?」
「いや、この頃携帯で何やら企んでいる様なんで。女関係かなぁなんて思いました」
「な訳ねぇだろ」
門川は少し動揺したが、すぐに元の状態に戻った。なので、俺はまた揺さぶる。
「あれ?でも、部長って広路先輩の事が」
「んなわけねぇって‼︎マジで!」
門川の声が大きくなった。完璧に動揺している。もちろん、周りから見れば門川と広路は両想い。告っちゃえば即OKしてくれそう。
俺が珍しく門川をいじくっていると、扉がガラガラと開いた。そこにいたのは蕗見幼乃である。幼乃は門川の事をニタニタと危ない笑みを浮かべてながら見ていた。
「おい、そこのガリレオ‼︎」
「いや、その名前はやめろよ。それより、なんだ蕗見・妹」
蕗見は門川をニヤァッと見る。すると、門川は頭を抱える。
「おい、柚子木。お前は知っているのか?」
「何が?」
「……まぁ、これを見よ」
幼乃は彼女の携帯からある写真を見せてくれた。それは二人の男女が仲睦まじ気に写っている。一つのジュースを仲良く二人で飲みあっている姿。リア充の典型的な感じ。
……ん?
俺はその男性の方が見覚えのある顔だったのでよくよく見てみる。俺はそのあと、少し遠ざかって見てみた。対象と見比べた。
「ああっ‼︎これって部長じゃね⁉︎」
そう、写真に写ってる男性は門川なのである。俺はもう一回写真と現物を見比べてみた。成長という点さえ抜けば同一人物であると推測される。
へぇ、門川にもこんなイチャイチャしている人がいたんだ。
……じゃぁ、女性の方は誰なの?
俺は頭の中に広路を思い浮かべたが、さすがにそれはありえない。広路はこんな色っぽい顔をしていない。
じゃぁ、誰?
そう思っていた俺はふと幼乃の方に目がいった。そしたら、なんとなくひらめいた。
「この女性の人って弥生?」
「BINGO‼︎そう、この男は広路という女ではなく、我が姉の弥生と付き合っているのだ‼︎」
「え?マジで?」