こんな奴でも青春したいっ‼︎   作:Gヘッド

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紳士は全員の味方である

夜の9時、俺は自分の部屋のベッドの上で寝っ転がりながら携帯をいじくる。もう、冬に近づいているので、窓の近くにいると少し寒く感じる。

 

俺はネットでこう調べた。『三角関係のなおし方』。もちろん、そんなこと調べても今回の件に使えそうな事は見当たらない。

 

それに、門川自身がどっちの方が好きなのかに気づこうとしていない、門川はやり過ごすつもりなのである。広路と蕗見の二人との関係は曖昧なままにしようとしているに違いない。

 

しかし、それを責める権利は少なからずGHB部員にはない。門川が恋愛関係で全てをぶち壊すのが嫌だからあえてそういう行動をとっているという事をGHB部員は知っている。彼の理想論は『人生で一番楽しいだろう』と思わせるような高校生活を作り出すこと。ほして、門川はそれに恋愛を必要としていない。

 

まぁ、そんな門川の信念に二人はなす術もない。さすがに、門川自身が建てたバリケードを無理に壊そうとすると嫌われる可能性だって十分にあり得る。

 

もちろん、二人は今すぐにでも門川と手を繋ぎたいだろう。でも、果たしてそれを門川か許すかどうかである。

 

俺がベッドの上で横になっていると、ココが階段を上がってきた。

 

「光牙様〜、お風呂上がりましたぁ〜。次どうぞ〜」

 

ココはパジャマ姿で俺の部屋に入ってきた。パジャマを着ながら男の部屋に入ってくる。それはつまり誘っているということなのだろうか?ココの完全無防備な姿。それが俺の目の保養となる。

 

「っか、俺はもう入ったわ」

 

「ええっ⁉︎そうでしたっけ?」

 

「お前が入る前に入っただろ?」

 

ココはそうであっただろうかと思い出すが、全然思い出しそうにもない。もう歳なんじゃないか?死んでもなお意識があるんだ。何百年もこの世にいるんだからそろそろ認知症が始まってきているんだと思う。

 

ココがリビングに戻っていく。俺は幼乃が言っていた通り、泉野に電話をかけてみた。

 

「はいはい。柚子木くん?」

 

「はい。そうっす」

 

「珍しいね。僕に電話をかけてくるなんて」

 

「そうっすか?」

 

「そうだよ、いつもは清戸か法前くんにしかしてこないじゃないか」

 

「まぁ、生徒会長と副会長なんで」

 

俺と泉野は最初どうでもいい話をしていた。GHBや生徒会長である清戸へのグチ。けど、そんな話はどうだっていい。まだ、核心には何も触れていない。核心に触れる前に和やかな雰囲気を作り出す。

 

話すネタがなくなった。さて、では今こそ三角関係の事を聞き出す時だと思っていたら泉野は俺の考えを当てた。

 

「で、聞きたいことがあるんでしょ?」

 

「えっ?え、ええ。んまぁ、聞きたい事はありますよ……一応……」

 

泉野は「う〜ん」と少し悩んでいた。何を悩んでいるのだろうか。

 

「どうしたんですか?」

 

「ああ、何となくだけど柚子木くんの聞きたいことはわかるよ」

 

「えっ?何で?超能力者?」

 

「いや、違う違う。僕も何となくだけど、今頃かなぁって思ってたし」

 

「何を聞こうとしているのかも知っているんですか?」

 

「うん。知ってるよ。あれでしょ?ガリレオくんの恋愛事情」

 

うわっ、まじか。そこまで見透かされているとは思わなかった。

 

「す、すごいっすね。当たってますよ。……で、それ、教えてくれるんですか?」

 

俺がそう言うと泉野はまた悩みだした。

 

「教えたいんだけどねぇ〜、ある人に口止めされているだよ。なんか計画があるんだとか」

 

「え?口止め?誰っすか?」

 

「いや、それは教えられないよ」

 

泉野に口止めをした人?誰だ?泉野は人柄がいいから年下でも口止めできそうだしな。それに計画ってのも気になる。

 

「まぁ、でも一つだけ約束してあげる。あの三人が三角関係なのはしょうがない。それは人の情ってやつだから他人の僕には制御できない。けど、三人の、GHBの関係は壊さないようにするよ」

 

「……なんで先輩がそんなこと言えるんですか?先輩はGHBじゃ……」

 

「おおっと、ここからは紳士の僕には言えないよ」

 

どこが紳士じゃ‼︎

 

泉野はハハッと笑う。それに合わせて俺は愛想笑い。

 

「それじゃぁ、切るよ」

 

「ああ、はい」

 

泉野が電話を切ろうとした時、こう俺に告げた。

 

「二日後、頑張ってね」

 

「えっ?……二日後?」

 

俺が泉野に聞こうとしたら泉野は電話を切った。

 

おかしかった。今日は生徒会選挙の三日前。二日後なら前日になる。そんなに前日は大変なのだろうか。

 

少し気になることはあったけれども、夜遅いし、俺は聞かないことにした。

 

月は雲に隠れて見えなかった。

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