俺はターゲットとなる人を探していた。親しい男子や、過去にGHBに相談しに来た人たちに色々お願いしてみた。
が、結局みんなに断られた。ちゃんと話は聞いてくれるし、悩んでくれた。けれどもみんな一人一人理由があって生徒会をすることはできない。
「ーーということがあってさぁ〜、助けてよ〜」
「あのな、相談に乗るのはいいが、私は教師だぞ。せめて敬語ぐらい使ったらどうだ?」
「いいじゃん。同じ東北出身なんだからさぁ〜。浦部ちゃん!」
浦部は悩める男子である俺の頭にゲンコツをする。まぁ、地味に運動そこまでよくない浦部の攻撃は屁でもない。
俺は浦部の服装を見る。社会の先生なのに年がら年中ジャージ姿。男性から見て女性としてあるまじき行為である。女性なんだし、本当は結構キレイなんだから磨けよ、自分を。宝の持ち腐れだ。
少しは知的っぽく、そして大人っぽい感じにしてみたらどうだろうか。黒のスカートに黒タイツとか。知的っぽいメガネとかも似合いそうなのに。
俺は現実の浦部を見る。すると自然とため息が出た。
「なんだ、私を見て、ため息なんかついて」
「いや、ちょっと先生に失望しただけですよ」
「私は毎日お前に失望しているよ。まったく、今回の中間も散々だったしな。……まぁ、理科だけはやけに点数がいいが……」
あっ、それ蕗見のおかげだわ。蕗見のおかげで理科だけいい点数取れたわ。初めて理科の赤点回避した。
「とにかく、お前はちゃんと勉強をしろ!」
「したいのは山々なんですけど、さすがに依頼のせいで勉強できません」
「断れ‼︎」
「俺そこまでひどい人じゃありません。困っている人は助けたいんです」
主に勉強をしたくない俺が困ってます。
俺は浦部に今回の生徒会の依頼の件を手伝ってくれと頼んだが、浦部は無理だと断った。
この頃、浦部はGHBに全然顔を出さない。彼女自身は「プリント作るのに忙しい」などと言っているがそれが本当だとは思えない。浦部は仕事をテキパキとこなしてしまうので、仕事が長引いてしまうことなんてありえない。
「まさか、先生、男できました?」
俺が先生に向けて小指を立ててあげると先生は顔を赤くする。
「そんなわけないだろ!」
「そりゃぁ、そうですもんね。だって、小さい頃にイジメから助けてもらってた人のことを想い続けて十数年。未だにその人のことを忘れることができないとか。どんだけロマンチックなんですか?ジャージ姿でその思想とか似合わないっす」
浦部は手に持っていた紙をグシャッと握りしめる。
「怒らないでくださいよ〜。それより、話が脱線しちゃったんで戻しますけど、どうしましょうか?生徒会」
「私は知らん」
「いやいや、この学校の未来を決めることでもあるんですよ?」
浦部は持っていた資料をファイルに入れて、パソコンを開く。目をしょぼしょぽさせながらパソコンの画面を見る。
「おい、柚子木」
「なんですか?」
「お前、学校の未来を決めるから人員を増やしたいと言ったな?」
「ええ、まぁ」
「だったらなおさら今のままでいいんじゃないのか?」
フェッ⁉︎何ですと?
「あのな、お前は今年の生徒会しか見ていないから人を増やそうとしているが、今年の生徒会は特別過ぎた」
「特別過ぎた?」
「ああ、生徒会を統べる生徒会長の座に清戸はあまりにも適任過ぎたのだ。だから、素晴らしいほど統率がとれていた。けれど、今の生徒会以外は大体そんなたいしたことやっていない」
「そうなんですか?」
「うむ。まぁ、五人で何か学校絡みのことをやるとなると仕事量は計り知れないだろう。その役割分担を適切に分けられたのは清戸だけだ。だから、五人は多いんだ」
「じゃぁ、新しい生徒会は……」
「五人じゃない方がいい」