放課後の部室。ほかの部員は生徒会に入ってくれそうな人を探している。だから誰もいない。
みんな、戻ってくる気配はない。選挙まであと数日という時なのにノルマの人数を達成できていないっていう危機的状況。それに、生徒会に出てくれる人をスカウトしてはいるものの、まだ誰も成果を上げていない。
生徒会選挙。門川から言われていた通り、キツイものである。予想はしていたが、その予想を遥かに超えていた。
俺は部室の真ん中に置いてある机にペタンと額をつけた。そしてそっと目を閉じる。
生徒会を存続させること決まった事であり、絶対に揺るがない未来である。どうしようが、どうなろうが、生徒会は確実に存続する。
だが、それでも生徒会が弱くなるのだとしたら、それは人が少なくなった時である。別に行動しない生徒会ならば人が少なくてもいいのだが、法前は何かしらの行動をするはずである。そしたら絶対に人が必要である。
しかし、今の法前は清戸以上の存在ではない。なので、5人は多い。しかし、3人だと少ない。
だとすれば、生徒会の人数は4人が
そうすると、恐ろしい事に俺が生徒会に入ればぴったりと当てはまるのだ。やっぱり俺は生徒会にいるよりかはGHBの方がいい。けれども、自分を犠牲にすれば全てが上手くいくのである。
「自分を犠牲に……」
俺がそう言った時、白浜と倉本がスカウトから帰ってきた。やはり素人がスカウトをやってもむりみたいである。本日も白浜と倉本は収穫ゼロ。
「やっぱりムリだー」
「そうですね。誰も私たちの事に耳を傾けてくれませんね。お友達の方も誘ってみたのですが、どうも上手くいきませんでした。みなさん部活などで忙しいようで……」
「私たちも忙しいんだ‼︎はぁ、めんどいわ〜。それより柚子木。お前はどうだった?」
「俺もダメだ。スカウトできなかった」
三人は深くため息をした。このままじゃ、本当に誰もスカウトできない。そしたら生徒会は本当に……。
清戸と、法前と、生徒会のみんなと約束してしまった以上、手は抜けない。けれど、人が集まらない。あと、一人足りない。あと一人は……俺……か?
俺は白浜と倉本を見る。二人ともなんだかんだ言いながらもスカウトを頑張っている。そんな二人を見てると、まだ頑張れる気がした。
確かに、誰かが生徒会に入らないとヤバイ。けれど、俺はここにいたい。やっぱりGHBにいたい。だから、俺は頑張ろうって思えるんだ。
「ん?どうした?柚子木。ニタニタ笑っててキモいぞ」
「いやー、もうちょっと頑張ろうなかって思っただけ。ほら、それよりいこうぜ勧誘」
しかし、白浜と倉本はやる気が一切ない。どうせ人は集まらないって思ってしまったからもうやる気が起きないのだ。
「えー、めんど」
「……無理……かもしれません」
「おい、何、
「…………」
「…………」
「え?黙らないでよ。恥ずかしいわ」
「その、ちょっと柚子木くんらしくないなって思いました」
「それ、私も同感だ。なんか、少し変わった気がする……」
二人は俺の方を何か探るような目で見る。けーど、何にも変わってなーい。
「そうかな?俺はいつも通りにやってるだけだけど。ほらッ‼︎行くぞ!」
俺は二人を連れて勧誘に行く。
変わってしまったのは俺じゃない。俺の普通である。俺のいつも通りがGHB色に染められただけのこと。GHBは一種の麻薬なのかもしれない。GHBにいるとスゲェ楽しい。
それだけに無くなるとすごく苦しい。寂しい。
だからなるべくみんなといたい。
抜けられないほどに深くのめり込んでしまっても。