常識をぶち壊せ。
清戸は俺にそう言った。
常識をぶち壊すことには賛同だ。けれど、それが法前に、植木に、赤石に不利にならないようなことを前提である。
常識をぶち壊すにも、どの常識をぶち壊すのかにもよる。まず、生徒会に有利な立場を作らねばならないという前提をぶち壊すのか、それとも壊さないのか。
某美術家は壊すことによってその本質を捉えようとした。見えないナニカを見ようとした。
そのようにするならば、今、俺たちが考えている有利になるであろう生徒会をわざとぶち壊さなければならない。法前と植木と赤石ともう一人の誰かで構成される生徒会が俺たちの考える最高の生徒会。その最高の生徒会を壊すのである。
でも、最高を壊す意味がどこにある?とみな考えるだろう。でも、最高とはあくまで表面上のことである。それは人でも当てはまる。
美女などがそうである。美女は見た目は最高に綺麗である。が、中身まで綺麗とは限らない。もしかしたらめちゃくちゃ腹黒いかもしれない。
どうせそんなもんである。だから『最高の生徒会』と言っても時が経ったら最高が最高でなくなるかもしれないのだ。
また印象の違いもある。
例えば、初めてクラスが一緒になった女子が二人いる。一人は容姿端麗で学校のマドンナ。もう一人はブスでバカで陰湿な女がいる。
まず、二人の第一印象の差は歴然である。
しかし、マドンナが授業中に鼻くそをほじっていたり、自分以外の人をゴミと見ている。そして、もう一人の陰湿な女は、実はすごく着太りするタイプで本当は標準的な体つき。そして人と接するのがあまり得意でないだけな女の子で意外と優しかった。
もし、そうなった時、どちらの印象がよくなっただろうか?
もちろん、それは陰湿な女である。
つまり、元々最高より、最低から
それは確かに三人には迷惑をかけるかもしれない。けれど、法前と植木は活発的に仕事をしたがるのでこれはこれでいいのかもしれない。
そうすれば印象が良くなっていくに連れて生徒会に入りたいと思う者も必ず出てくるだろう。そうすれば四人以上となり、全てがうまくいく。
しかし、これには一つだけ大きな問題点がある。今までの話は『少人数で成功する』ことを前提で考えたもの。もし、実際に失敗してしまった場合、前代未聞の事態であり三人には泥を塗ることとなる。
そして全責任はこの計画を思いつき、実行させたこの俺。
……それだけは嫌だなぁ。
失敗しなければいい話。口では簡単にまとめられるけど、俺の手はブルブル震えてるよ。
けど、今、俺が考えついたこの事態を切り抜ける方法はこれしかないんだよな。
じゃぁ、どうやってこの計画の成功率を高めるかである。まぁ、そこらへんは当の本人たちに決めてもらおうか。
「さてと、大仕事を始めますか!」