放課後、俺は生徒会室に来いと赤石に呼び出されている。まぁ、だいたい言われるであろうことは予測している。少しの間、生徒会室を三人で運営するのは無理も承知である。
けれども、やらねばならないのだ。無理だとしても三人でやるしかない。三人寄れば文殊の知恵のことわざが本当であることを証明してほしいものである。
「失礼しまーす」
挨拶をしながら俺は生徒会室に入る。生徒会室には法前と植木と赤石しかいない。三年の生徒は来ていないようである。
「あれ?三年の先輩たちは?」
「ああ、先輩たちなら用事があるから早めに帰った。なんでも、明日の準備があるとか言っていた」
明日の準備か……。そんなに生徒会選挙は大変なのだろうか。そういえば、今日、門川と広路もソワソワしてたな。なんなのだろうか?
あっ、もしかしたら計画ってこれのことか?明日、サプライズ的なことでもするのかな?政権交代的な感じになるし、頑張ってねってことをサプライズでするのかな?
俺が三年の先輩たちの行いに感心していると、法前は重苦しい雰囲気を作り出すような声で俺にこう言う。
「ちょっと、そこに座ってくれないかな」
ヤベェ、こえぇ。おっかねぇよぉ〜。
俺は法前の目の前にある用意されていた椅子に座る。俺が座ると法前は睨みつけるような目で俺を見る。
「柚子木くん。君が朝に言ったことを覚えているよね」
「はい……」
「あれは本気でそう思っているのか?本気でできると思っているのか?君はやる気なのか?」
俺は法前が去った後、赤石と植木に説明をした。三人で一度やってみる。それでダメだったら俺らGHBが補佐に入る。もちろん、その時、GHBは生徒会の方針には一切の無言である。そして、生徒会の人数を増やすのである。そうすれば、俺たちが補佐に入っている間に、法前の統率者として器が成長するだろう。
これは最終的に言ってしまえばGHBの責任である。GHBが勧誘を失敗してしまったからである。でも、『失敗してしまったので無理だ』ではない。失敗してしまったのなら、他の方法で失敗を補う。それもGHBとしてのあり方。
GHBのみんなにもこの計画の了承は得ている。後は、生徒会だけ……。これを承諾するか、拒否するかは彼らの自由。
「俺はやる気っすよ。ここまで来て、何もできないままじゃ嫌っす。じゃないと、GHBの顔に泥塗ることと一緒っす。そんなことしようとする俺は、GHBである俺が許さない」
俺は、俺らは
法前はしばらく黙っていた。腕を組み、目をつむり、何も言わなかった。そして法前は手を俺の前に差し出した。
「分かった。君たちを信用したわけじゃない。けど、会長が今まで作ってきたものを壊したくはない。だから、可能性の高いと思えるものについて行くのさ。君たちGHBに生徒会からのお願いだ。もちろん、聞いてくれるよね?一回しくじっているんだから」
「手痛い言葉をありがとうございます……。わかりました。受けますよ。で、ご依頼は?」
「我々生徒会を少しの間支えてくれないか?」
「あいよ!お安い御用っす」
俺は法前の差し出した手と握手する。
さて、明日は生徒会選挙だ。
お仕事、始めますか。