GHBの過去編っぽいですね。なんか、意外と結構すごい章になりそうです。episode7.5。
広くて、畳の敷いてある和室。高校生三人が泊まる部屋にしてはませていやがる。
窓の外には川が流れている。せせらぐ水の音に癒やされる。心地よい涼しさを感じる。まぁ、冬だからあまり嬉しくはないのだけれど。
「いや、清戸にしてはやるじゃん。いいな」
「だろっ⁉︎俺っていい奴‼︎」
「部屋がな」
「えっ⁉︎俺は?」
「用済みだ。もう帰っていいぞ」
「ひどい‼︎」
と、そこにトイレに言ってた泉野が加わる。
「部屋に着いて早々、もう口喧嘩かい?よく懲りずにやれるね」
「いや、清戸がいると部屋が汚くなるからな」
「聞いてよ、ガリレオちゃんがこんな風にか弱い僕をいじめるんだ!」
「ちゃん付けすんなよ!」
「そう照れんなって」
泉野は俺たちを見て深いため息を吐いて外へ出て行く。その姿を見て、清戸を殴る気が失せる。
「外、出てくる」
そう清戸へ言い残して俺は外に出る。
分かってる。自分がこう気持ちの制御が出来てないことぐらい。興奮してる。みんなで旅行に行くのだと、懐かしい仲がもしかしたらまた元に戻るかもしれないと。
けど、俺はそんなことでここにいるんじゃない。蕗見と広路にちゃんと言わなければいけない。
付き合うのは無理だと。
電車の中で北条に言われたことがすごく心に残っている。
「かわいそうだよ。二人とも」
あんな事言われなくったって分かってる。分かってる。でも、ハッキリと言ってしまって、また関係を悪くしてしまうのではないのかと不安に駆られてしまう。
高一の頃、俺たち六人は仲が良かった。元々評判が悪かった女子たちと、人気者だった男子たち。広路と俺がGHBに入っていたっていう繋がりから俺たちは仲良くなった。
その頃のGHBは廃部寸前だった。だって部員は俺と広路の二人だけ。しかも、その頃のGHBの活動内容だって違っていた。『現実逃避したい人のための部活』なんて名前は俺が後で勝手に名付けた。本当の名は……。
『学校風紀美化部』
名ばかりの部活だった。風紀をよくしようって言っても部員は俺たち二人だけだし、活動内容なんか学校の清掃ぐらい。別にサボっても怒られないし、広路だって活動はしてなかった。
そんな部活になんで入ったのか。それは『三年間部活をやり遂げる』っていう将来で使える実績を残すためである。だから、部活にそんな思い入れなんて一切なかった。
だから、俺も広路も全然話したことがない状態が一ヶ月ほど続いたある日、俺たち六人はばったりとGHBの部室で出会ったのだ。
運命の糸がみんなをそこに引き連れた。
始まりはGHBの部屋からであった。
終わりもGHBの部屋にある。