もうすぐでepisode7.5終わりそうですね。
大混雑の通り道。道沿いにはお土産屋さんや、その地域名産の食材を使ったレストランなどが並んでる。この時期だから、俺たちの同じで紅葉狩りに来た観光客がいっぱいそこにいる。
いや、同じではないか。その人たちの目的は地に落ちて、また木のものとなる美しき葉を見に来た。けど、俺たちはそんなことのためだけに来たんじゃない。今だからこそ分かる。清戸がなんでこの企画を作ったのか、蕗見がなんで旅行に来たのか。
俺は広路と蕗見だけでなく、他のみんなにも迷惑をかけていたのかもしれない。その考えは俺に自責の念を持たせる。でも、それはあながち間違いではない。
「……」
「……」
俺も広路も何も言い出さない。相手が何か話し出さないから、自分でも話しづらいのである。その負の循環が二人の間の空気にはできていた。だから、俺は何となく広路にこう提案した。
「人が多くて混んでるからさ、脇道通らね?」
広路はコクッと頷くだけである。やっぱり、こういう空気になると彼女の口はすぐに堅くなる。部室にいる時や、全然違う空気なら話せるのに何でこうなると彼女と話せなくなるのだろうか。
脇道を通って、大通りからは少し離れた所に来た。彼女は俺の顔を見ないように、俺に背を向けるのである。
「えっ?何?何でそっぽ向くの?」
「いや、その……さっきから、私のことずっと見てるから。目を離さずに……」
…………。
あ、ああ、うんうん。そうだよね、じっと見つめてちゃいけないよね。うん、そうだね、知らぬ間にやってたね。う、うん。熱い視線なんかで見つめてなんかないよ、ホントだよ。
「……」
「……」
「……」
「……」
「そのさ……」
「……う、うん」
「……」
ダメだ!なんも話が続かねー!どうしよう、どうしよう、嫌われちゃうかもしんない!
……って、あれ?俺、何で広路に嫌われることなんか考えてんだ?あっ、そっか、好きな人と二人っきりで歩いてんのか。
……。
プシュ〜ゥ。俺の頭がショートして熱くなる。俺の思考回路が全て使用不可能となってしまう。
「な、なぁ、そのお前は今、楽しいか?」
何となく自分に不安があった。広路は俺をどう思ってるのか。
「わ、私は……楽しいよ」
「そうか」
「で、でも……」
「でも?」
「まだ、もっと楽しくなると思うんだ」
その広路の言葉は少しだけ意外だった。楽しい、そう言って欲しかったけれど、それ以上に彼女は楽しいと思える何かを俺はしていないのである。
「じゃ、じゃぁ、ハルちゃんは、楽しいの?」
「……ま、まぁ、楽しい。す、好きだけど……」
まだまだ俺たちの秋は淡い。