登校して教室に入る。ああ、また嫌な日曜日が始まるよ。それに後、2日くらいで期末試験じゃねぇか。
そんな中、俺はセーターを枕の代わりとして用いて、机の上に突っ伏して眠る。今日も起きてから20分くらいで家を出た。物凄く眠い。
俺が机に額をつけて、気持ちよく目を瞑つぶっていると、倉本が俺の机の横に来て、話しかけてきた。
「相変わらず、朝から随分と眠そうだな」
「まぁね。死ぬほど眠いわ」
俺がそう言うと、倉本はわざと俺の睡眠タイムを邪魔するように、ちょっかいをしてくる。が、そんなことに応じることができるほど、俺は心の広い人ではないのでイライラしながらそのちょっかいを振り払う。
別に倉本はそれくらいで怒りはしない。いつも倉本は俺にちょっかいをだしているから、それくらいでは怒らない。倉本は笑いながらそこに立っている。
この頃、倉本は笑う機会が増えた。初めて俺たちと会った頃と比べると、大きな進歩である。その進歩は、少しだけ寂しい思いを俺に与える。倉本がどこか遠くに行ってしまったかのようにも感じる。
一番最初が懐かしく思えるが、もう俺の周りに変わっていない人は誰一人としていない。みんな少しずつだけど変わっている。けど、それは俺にとって何となく嫌なものだった。いつまでも夢を見る俺は、夢を見ていたいのであり、現実に目を向けることは嫌いなのである。
倉本は多分、俺よりも先に進んでいる。前までは俺よりもガキで過去に囚われていた奴だったのに、今では俺よりも大人になったような気がする。
「大人になっていくんだな……。みんなさ……」
俺がそう悟ったように呟くと、倉本は俺に白い目を向けてくる。
「お前、どうした?まるで私たちの親のようなことを言って」
「ん?いや、何となくそう思っただけだ」
倉本は俺の机の上に座る。それは、俺が寝る分のスペースを、倉本のお尻に取られたということである。……寝れない。
「そう言えば、一昨日お前、何かを調べていたな」
「ああ、まぁね。それがどうした?」
俺がそう聞くと、倉本はまるで俺のことを調べるような目で見てくる。じいっと俺が嘘をついていないかを調べるように。俺を疑っている。
「何について調べていた?」
「えっ?そりゃぁ、まぁ……情報」
「何のだ?」
倉本は俺に休む暇も与えずに俺に質問を問うてくる。尋問を受けているみたいである。やっぱり、俺を疑うような目で見ている。何を疑っているのだろうか。俺は教室を見回して、まだ白浜が登校していないということを確認してから、倉本に教えた。
「白浜の情報を調べてた」
「白浜の?何のために?」
「いや、別に何かのためってわけじゃない。ただ、少しだけ疑問に思っただけだ」
「で、その答えは得たのか?」
「いや、詳しいのは得ていない。けど、それっぽいのは見つけた」
俺は倉本を見てみる。すると、さっきまでの疑うような目を止めていた。さっきまでは彼女の目と目を合わせるのさえ怖いほどだったのに。
「で、どんな情報何だ?」
倉本は俺に話しかけるように強要する。が、別にそれほど重要なことではないし、いずれ倉本も知るようなことだからこそ、俺は教える。
「白浜のさ、家族っていないらしい」
「何?それは、私と同類ということか?」
「まぁ、そんなところかもしんない」
それを聞いた倉本はしばし考え込む。
倉本はその中から答えを見つけ、俺に質問をしようとした時、教室の扉がガラガラと開く。
「みなさん、おはようございます!」
白浜である。そんな白浜を見て、俺たちの会話はすうっと消えて、自分の席へと着く。
白浜の明るい笑顔の裏には一体、何があるのか。同じGHBの者として、そして同じ学年の者として彼女の本当を
俺が全然変わっていないように、彼女もまた全然変わっていないのだから。