「ということで、お誕生日会はカラオケに決定‼︎試験が終わった次の日の日曜に、フリータイムとるから!」
朝、教室に入ったら、いきなり北瀬にそう言われた。北瀬は祝ってあげる白浜よりも楽しそうにワクワクしている。多分、一番白浜の誕生日会を楽しみにしているのは北瀬である。
白浜以外の参加者には紙が渡された。それは、白浜を祝うための色々なルールが書かれてあった。白浜を敬うとか、白浜の言うことを聞くとか、カラオケで白浜に歌わせるとか。
最後のは少し、彼女の性格には合わないような気もするが、どうせ北瀬のせいになるし特に俺はそのルールに対して文句を言うつもりはない。
たった一つの決まりごとを除いては。
「おい、北瀬。これどういうことだ?」
俺は紙に書かれてある、ある決まりごとについて指をさした。そこにはこう書いてある。
『一人一つづつ、各自でプレゼントを用意する』
「え?そのまんまの通りだけど……」
おいおい。マジか?俺、白浜にプレゼント渡さないといけないの?俺、女の子にプレゼントを渡した経験なんて一度もないんだけれど。せめて、俺の可愛い妹ぐらいにしかプレゼントなんてあげてないんだけど。どうすればいいの?どんなのがいいの?なんか、変なプレゼントを渡したら、ドン引きされて嫌われちゃうかもしんないわ。それだけはイヤだ。絶対にイヤだ。
今頃の女の子ってどんなプレゼントが欲しいの?赤いバラの花?いや、俺、そこまでイケメンにはなれないわ。じゃぁ、結婚指輪?そしたら、俺と白浜はゴールイン‼︎……なんて、冗談はやめようか。
俺は苦渋に満ちた表情で北瀬を見る。北瀬はニタァっと笑う。まるで、この白浜にプレゼントを渡さないといけないというルールが、俺を
「貴様ァ‼︎計ったなぁっ⁉︎」
「フハハハハッ‼︎」
俺と北瀬が中二病ごっこをしていたら、教室に浦部が入ってきた。
「おい、お前ら、ホームルームをはじめるぞー。ほら、席につけ〜」
浦部は元気ない声でみんなにそう言う。彼女の顔は少しやつれているようにも見える。多分、試験のテストを作っていたのだろう。徹夜明けだろうか?目の下にクマができている。お疲れ様です。
いつもよりもやる気のない声でみんなに指示を出す。配布物を渡す時も、あくびをかいていた。そんな彼女の姿を見ると、教師とは大変な仕事であろうとつくづく感じさせられる。
疲れながらも彼女は教卓の前に立つ。
「おい、お前ら〜。明日から試験だぞ〜。今日の私の授業は自習にするから、苦手とか、ヤバイと思う科目の勉強をしろよー」
彼女がそう言うと、クラスで歓声が湧き上がる。まぁ、理由は多分、試験範囲も終わったし、特に授業ですることもないので、自習にさせて彼女は寝ようという魂胆であろう。
彼女はその言葉を言い残し、クラスを出た。クラスではハッピームードである。そんな中、俺は白浜を見た。白浜はそんな中、いつものように固定された笑顔を見せていた。
で、その日の浦部の授業中、浦部はがっつり爆睡していた。