店の中を探索する。どんなジャンルのものが白浜に喜ばれるかを考えながら、商品棚の前で一本一本ちゃんと見極める。
やっぱり、無難なものがいいだろうか?ハリウッド映画とかでもいいかもしれない。それか、国際的な映画の賞を受賞した作品であろうか?
それとも、少し偏り気味なものにしようか?まぁ、白浜はあまりアイドルとかは好きではなさそうだから、勧められるのはアニメであろうか?アニメだったらネズミで有名な某映画とかでもいいかもしれない。
「なぁ、北瀬。お前は何を選んだ?」
向かいの棚を見ていた北瀬に聞いてみた。北瀬はあやふやな返事で誤魔化していた。ああ、これはまた変なものでも見ているんではないのだろうか?
しかし、北瀬を注意していると俺の神経がすり減ってしまうので、北瀬は無視して自分で彼女へのプレゼントを決めようと思った。
俺は一応スマホで定番のプレゼントとかを調べてはみたものの、なんか定番という言葉が嫌だった。みんなと一緒はなんか嫌だなと思ってしまった。だから、そのスマホの検索結果も頼らなかった。全ては俺の選択で決まるものだと思っていた。
結局、俺は有名なハリウッド映画だけど、白浜が見たことないような映画を選んだ。そのDVDを持って、俺は向かい側にいる北瀬のところまで行く。
その時、俺はあることに気づいてしまった。そういえば、北瀬のいる所にエッチなDVDはなかったような気がする。……じゃぁ、何を見ていたんだ?
それが気になってしまった俺は、ひょこっと気づかれないように北瀬の方を見た。すると、北瀬はしゃがみながらある一本のDVDを見ていた。
「おい、それ、何だ?」
俺は北瀬の背後に気づかれないように移動して、そう声をかけた。北瀬は俺が背後にいると気づくと、そのDVDをサッと隠した。
「えっ?いや、何にも見てないけど」
「嘘つけ、俺はきっちりと見てたぞ。ほれ、見せろ」
「いや……それほどのものじゃないって……」
「いいから、はよ出さんかい」
俺がそう彼を押しきった。彼はそっと隠していたDVDを俺の目の前に出した。そのDVDを見て、俺は少しだけゾワッとした。鳥肌がたった。
「お前、何でこんな物持ってるんだ?」
俺は思わずそう聞いてみてしまった。俺は、最悪を想定してしまった。北瀬が、この時怖いと思えた。
DVDは病室の中に籠るはめとなった少女がただただ空を見て外の世界を想い焦がれるというDVDだった。その情景は何処かの誰かさんと似た状況であり、それを北瀬が自ら手にしていたのは、俺にとって恐怖の塊でしかなかった。
北瀬は頭をぽりぽりと掻きながら目をそらす。
「いや、何となくそれを選んで見てた」
「本当か?」
「本当だよ。だから……」
「じゃぁ、何で隠した?」
北瀬は黙ってしまった。何も言えなくなっていた。それは、北瀬が湯島のことについて感づいていることの表れといっても過言ではなかった。
「偶然じゃないよな。……知ってんのか?」
「まぁ、知ってる。あいつが、みんなに自分のことを俺に言うなってお願いしていることは、何となく分かる。……いや、逆に言えば、俺はそれだけしか知らない」