神様が家に来た。多分、この前、俺が神様に依頼していた情報のことであろう。
白浜の経歴を徹底的に調べてもらう。それは白浜を知る上で、重要なことである。白浜の頑なに崩れない笑顔がある理由を調べるにはもってこいである。
けれど、神様が本当にちゃんと調べて来てくれたのだろうか?俺はこの前渡したお駄賃は5円である。いくらなんでも、さすがに5円では、してくる仕事もそれなりに酷いのでは……。
「ほれ、これが資料じゃ」
神様は指でパチンと音を鳴らした。すると、どこからともなく数十枚の書類がドスッと俺の机に置かれた。
俺はその光景を見て驚いた。書類が何もないところから現れたことよりも、神様がちゃんとしっかり仕事をしていることに驚いた。まさか、本当に5円でやってくれるとは。
俺が呆気にとられた顔をしていると、神様は胸を張り自らを誇る。
「どうじゃ!これが神様の力よ!」
神様のたわわな胸がぽよんと跳ねる。
……狐って、冬の12月ぐらいになると発情期ってなるけど……。
「ヤバイ!犯される!」
「お主、どんな想像をしておる。儂は意外と一途なんじゃ。そんなことはせん」
嘘つけ!
俺は机の上に置かれた書類を一枚一枚目を通す。そこには白浜の色々な情報が記されていた。手抜き一つない。この仕事量は相当なものである。
「お前、どうやってこの情報を手に入れた?」
「ああ、儂の神友である豊穣神に聞いたのじゃ」
神様同士の友達。略して神友か。
何それ、ダサッ!
神様は腕を組み、顔をしかめた。そして、書類の一枚を手に取り少し唸る。
「気になることがあったのじゃが……」
「気になること?」
「うむ。どうも、その白浜という女子はある事故に巻き込まれているらしいのじゃ」
「……事故?」
「ああ、そうじゃ。別にそんなに特別な事故ではない。冬の凍った路面でスリップして対向車線の車と衝突したのじゃよ」
いや、それだけで彼女の顔が冷たい笑顔に固まってしまったとは思わない。確かにそれが原因かもしれないけど、少し原因にしては弱い。他の理由もあるのではないのだろうか。
俺は書類をパラパラと軽く目を通していく。すると、ある文献に目が止まった。そこな書いてあったことは驚きであった。
目の前で、家族の死体が転がっていた。その直後に彼女はショックで一時的な呼吸困難に陥った。その後彼女の命の無事は確認されたが、両親と双子の妹は既に死亡。
……これか。
俺はその書類をファイルに入れて、学校のカバンに入れた。
「おい、それを本人に見せないでくれないか?何かと都合が悪いからな」
「別に見せるつもりはないよ。本人には見せないし、一人だけしか見せないから」
俺はその一人だけにあることを聞きたいと思った。
彼女の笑顔の真実が知りたい。
そんな目をしていた俺を見た神様は俺に問いかけた。
「なぜ、お主はその女子のことを調べようとする?」
「友達だからだよ。友達だから、何も言われないのは嫌じゃん?だから、意地でもこっちから彼女を一緒に支えてあげようと思うのよ」