こんな奴でも青春したいっ‼︎   作:Gヘッド

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はい!Gヘッドでぇーす!

いやー、また忌々《いまいま》しき月曜が来ましたね。

みなさん!頑張って!(俺も頑張れ!挫けるな!俺!)


エンジェルスマイル

「おい、愚民! 奴らはどこだ? 」

 

倉本は焦るように探し出した。

 

「お前は馬鹿か? 今まで気づかなかったのか? 」

 

「ふむ、お前に嫌がらせしようと待っていたらみんないなくなっててな」

 

今、なんかサラッと酷い事を言っていなかったか? 本当に毎回こいつと話していると心底イラつく。

 

「お前、可愛いのにそんな性格して損だな」

 

俺がそう言うと倉本は顔を赤くしだした。

 

「はっ⁉︎ な、何を言っている! 愚民の癖に! 」

 

とまあ、こんな感じに。こういう奴は意外と扱いやすかったりもする。

 

「まあ、探すしかないか。あいつら携帯の電源を切っているみたいだし」

 

そう。今、俺が気になっているのはそこの点である。何故、他の四人は俺たちとはぐれたのに携帯に電源を入れないのか。

 

考えられる事は主に二つある。一つは本気で俺と倉本とはぐれた事に気付いていない事である。普通ならこの選択肢は省くのだが、あの四人だったら省こうにもそうは出来ない。

 

何故って? それはあの四人だからこそである。だって誰一人としてちゃんとした人がいないのだから。

 

もう一つの選択肢はあの四人がグルになってこの事態を故意に起こした事である。しかし、これはあまり可能性が高くはない。それは白浜という存在がいるからである。あいつがいる限りそんなことは決してないだろう。欺かれない限り。

 

「とにかく、先に進もう。あいつらが待っているかもしれないし」

 

「あいつがか? 私にはそんな奴らとは思えないのだが……」

 

「それは俺も同感だ。でも、一応で」

 

それで、俺と倉本は博物館の先に進む。今、いるのが一階の”地球の生物スペース”だから多分二階か四階だろう。

 

今、いる博物館は四階だての建物で一階が”地球の生物スペース”で二階が科学、三階が美術など、四階が歴史などのテーマに分けられている。

 

ちなみにあの四人の事だから三階の美術はないと踏んで行動をする。

 

そして、俺のその考えが後に裏目と出てしまう事はもうちょっと先のお話。

 

俺と倉本は四階から虱潰ししらみつぶしに探す事にした。

 

俺と倉本が四階に上がりみんなを探そうとした時、倉本が「おい、愚民よ! 」と声をかけてきた。

 

「何だ? どうした? 」

 

俺がそう聞くと倉本は指を指した。その先にあったのは男の子である。男の子は泣きながら「お母さん! どこ〜」と言っていた。

 

すると、倉本はその男の子の所へ行くと、しゃがんで目線の高さを同じにしながらこう聞いた。

 

「僕、どうした? お母さんとはぐれた?」

 

倉本が男の子に聞くと男の子はコクッと頷いた。

 

倉本は俺の目をジッと見た。無言の圧力である。

 

はいはい、分かりました。つまりお母さんの元に返してあげたいと。そういうことであろう。

 

「分かった。分かったからそんなに訴えかけるように俺を見るな。協力してやるから」

 

俺がそう言うと倉本はこう言った。

 

「愚民も手伝え」

 

倉本は男の子を泣き止ます。その姿はいつもの倉本とは大違い。優しそうな。そんな感じである。

 

その姿を見ている俺は本当の倉本が分からなくなってきた。本当は優しい奴ではないのか。そう思ったほどである。

 

微笑ましい姿を見てにやけてしまった俺を見た倉本はこう言った。

 

「キモい! 近づくな。この変質者め! 」

 

ああ、やっぱりだめだ。この子は優しくないや。倉本が優しくなるなんて地球が滅んでもあり得ない。

 

なんて俺は馬鹿なんだ! 分かっていた事に疑問を持つなんて。倉本が優しい訳がないじゃないか!

 

倉本は男の子を泣き止ますとこんな事を言い出した。

 

「じゃあ、この子のお母さんを見つけてあげようか」

 

「えっ? 何でだ? 別に相談センターに連れて行ってアナウンスをすればいいだろ? 」

 

俺がそう言うと倉本は声を荒げながら反論した。

 

「ダメだ! そんなんじゃ! 預けてからお母さんが引き取るまでこの子は一人なんだ! 」

 

「まぁ、そうだけど、受け付けの人とかもいるだろ」

 

「じゃあ、この子が可哀想だとは思わないのか? この愚民め」

 

「そりゃそうだけど……」

 

そりゃ確かに可愛いそうかもしれない。いきなり知らない人たちと一緒に親が来るまで待つなんて。

 

でも、そうすれば効率が良いのも確かである。親を探してすれ違うという事もあり得る。だから相談センターに連れて行ってあげれば時間の無駄もない。

 

しかし、倉本はそれを分かっていて母親を探すという事にしたのである。

 

俺はそんな彼女を見ていると本当の倉本が分からなくなってきた。俺たちには超毒舌だか、子供に対してはとても優しく接している。普通の事かもしれないが、彼女らしくない。

 

そして、今、彼女は男の子と話していて笑っている。あの、氷のように冷たく、笑ってくれなかった倉本が天使のような優しい笑みで。

 

「なんだよ、そんな風にわらえんじゃね〜か」

 

「ん? なんか言ったか? 」

 

「いや、何も。それよりもお母さん探しに行こうぜ」

 

さてと、まぁ一仕事、大変だけど、あんな笑顔見せられたらやらない訳にはいかないからね。

 

 

〜その頃、他の四人〜

 

「……」

 

「…………」

 

「………………」

 

「……………………」

 

三階の美術スペースで静かに美術品を見ていた。

 

 

 




えー、今回もありません。
ちなみにepisode3.の人物紹介は多分もうないかと……。
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