すいません。作者が風邪をこじらせてしまいまして、遅れてしまいました……。
車窓から過ぎ去り行く街の景色が見えていた。揺れるつり革の下にある座席に座り、俺はバッグの中を確認していた。
「ちゃんとあるかなぁ……」
そう思いながらバッグの中を覗き込む。イヤホン、生徒手帳、ペットボトル、プレゼントなどちゃんと装ってある。財布とスマホはポケットの中にあるし、まぁ、多分忘れ物はないだろう。
俺はスマホの画面を見る。11時ちょうどに集合なのだが、少しだけ遅れてしまった。今現在、11時7分。あと一駅で着くからそこまでの遅れではないのだけれど、一応北瀬に連絡はしてある。
集合場所の駅に着いた。俺は急いで電車を降りて、ホームと改札を繋ぐ階段を駆け下りる。その時、倉本と会った。倉本は随分とお疲れのような顔をしている。疲労困憊の様子である。俺は倉本の近くに行き、彼女の肩をポンポンと叩く。すると、彼女は俺の方を振り向いた。
「よっ!」
俺が元気な挨拶代わりの掛け声を彼女にかけると、彼女は嫌そうな目で俺を見る。
「朝一番に会ったのがお前か……。今日はついてないな」
えっ?酷くない?失礼極まりないからね。そんなことで許してくれるなんて俺ぐらいだよ。っていうか、俺って、会ってはならない部類みたいなのに入ってそう。
「そういや、お前も遅刻か?」
「ああ、プレゼントを買っていたら遅くなった」
「馬鹿だろ」
「まぁ、今回はしくじってしまった。前日にプレゼントを買いに行くのがダルすぎて行かなかった。だから、今日、朝早くプレゼントを買いに行っていたのだ」
倉本はそう言うと、手に持つ袋を俺に見せた。どうやら、その中にプレゼントが入っているようである。
「その中、何?」
俺がそう聞くと彼女は俺の話を無視するかのように、袋をリュックサックの中に入れた。
まさか、それ、俺に見せないとかそういう意味での見せつけですか?皮肉ですか?
「なんで、お前に見せないといけない?」
倉本はいやらしい笑顔を浮かべながら階段の踊り場に出る。俺も踊り場に着くと、すぐにターンして階段をまた下りる。
「お前も何かプレゼントを買ってきたのだろう?」
「ああ。俺と北瀬で一個」
「何⁉︎それはズルくないか⁉︎」
「いや、ちょっとお高い買い物だったし……。一人分の負担的にも、お前の方が多分安いぞ」
倉本はお財布的に俺よりも上だと知ると、また誇らしげにドヤ顔をする。その顔にはイライラする。
倉本は俺たちのプレゼントが気になったらしく、俺に見せろと言ってきた。が、俺はその願いを却下した。すると、倉本は俺に文句を言いながら、俺よりも少し速く歩く。そして、倉本は俺を置いて改札を出た。
俺も続いて改札を出る。改札を出て、すぐ近くの柱のところにみんな集まっていた。
「すまんすまん!遅れた」
「別にそんな待ってませんよ」
白浜はまるで天使のように慈悲を与えてくれる。白浜の後ろに後光が差していたように見えたのは俺だけであろうか。
俺は北瀬の方を見た。そして、俺と北瀬は目と目で意思疎通をする。これぞ、アイコンタクトというやつか‼︎
(大丈夫。北瀬と俺で作戦は考えてある)
実は昨日、遅くまで北瀬と二人で作戦を考えておいた。だから、俺はその作戦で、白浜を縛り付ける何かから解放させてあげようという魂胆を持ってここに来た。
北瀬はみんなが来たことを確認すると、元気よく声を上げた。
「じゃぁ、『期末試験お疲れ様&我らが天使、白浜舞の誕生日』パーティーを始めますか!」
彼がそう言うと、他のみんなもテンションが上がってくる。
俺も心の中で声を上げた。
「白浜の本当の笑顔、見てみるぞ!」