こんな奴でも青春したいっ‼︎   作:Gヘッド

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見つけた

とりあえず門川に言われた公園に行ってみた。彼が見かけたとかそこんとこは信用してないけれど、地元住民ではない俺が探し回るよりかは彼の言うことに聞いた方がいい。

 

そしたら、彼の言っていた通り、彼女はいた。公園の端にあるベンチに座って、下を俯いていた。心の中の彼女の吐く深いため息が聞こえるほど、彼女の周りの雰囲気は予想以上にブルーであった。

 

うわ、これは面倒くさそー。

 

そう言わしめるほど、俺は彼女に近づきたくない。絶対に面倒くさいパターンだよ。これは俺の手に負えないのではないか。

 

そんなことを考えながらも、やっぱりとりあえず彼女に近づく。まぁ、そりゃぁ、このままにしておいたら親御さんに迷惑だろうし、彼女が何をしかねるかが怖い。

 

「おい、ここにいたのか。探したぞ」

 

探したけど、結局は俺の力ではなく門川の力。

 

俺がそう彼女に声をかけると、彼女は顔を上げて俺を見た。そして、何か後ろめたそうに目をそらす。

 

「……来たんですね」

 

いや、そりゃぁ来るだろ。心配だわ。っていうか、そのままにするバカいねぇよ。

 

彼女から悲しみオーラが全開で漏れている。そんな彼女にムリだとわかりつつも一応、ある言葉を言ってみる。

 

「なぁ、白浜、みんな心配してる。帰ろう」

 

すると彼女は首を横に振る。そんな彼女の姿はとうに予想していた。

 

「……帰りたくありません」

 

ですよねー。うん。どうせそんなことを言うんじゃなかろうかと思ってた。

 

定番の質問にはやっぱり定番の返答が返ってくる。それもちゃんと予想していたし、彼女の心境は詳しく知らないけど、何となくは分かる。

 

彼女は俺と目を合わせないようにしているかのようで、ずっと下を向いている。いや、まぁ、実際目を合わせられたら、こっちが気まずくなって目をそらしちゃうんだけどさ。

 

彼女は俺の顔を見ないまま俺に質問をした。

 

「何しに来たんですか?」

 

まるで、俺のことを拒絶するかのように刺々しい口調で言う。いつもの白浜らしくない。

 

何しに来た?そんなの聞くまでもなく分かっているはず。連れ戻しに来たに決まっている。そんなの白浜だって分かっているはず。

 

俺がここで『連れ戻しに来た』と言って、彼女はそう素直に大人しく要望に応えてくれるわけがない。絶対に反抗するはずである。そりゃぁ、ことの原因を作り出したのは俺なのだから。俺が親御さんに変な質問をしなければ良かったのだ。そうすれば、今、彼女は家の中で楽しくお話をしている。

 

じゃぁ、俺じゃなければいいのか?いや、俺でなくとも変わりはないだろう。親御さんなら、質問に返答したことに怒るはず。それに、他のみんなは彼女のことを詳しく知らないから彼女にあんまり事を言えない。

 

だから、俺は彼女にこう返答した。

 

「お前の嫌なこと、全部吐き出させるためにここに来た。GHBのお仕事としてやって参りました」

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