今年は年末年始色々と大変なので、今年の更新はこれでおしまいです。次の更新は来年の7〜8日ぐらいから致します。
俺は白浜に暴言を吐いた。人ではないみたいだと、人としての尊厳を傷つけるような言葉を女子である白浜に言ったのである。
彼女はそう言われると、何にも言い返すことが出来ないようで、悲しそうな目をしていた。俺と目を合わせようともせず、ただ自分の心の中で俺に言われた言葉を繰り返し再生しているようである。
俺はその時、やらかしたと思った。確かに白浜に本音を言ってくれと頼まれたけれど、俺が言ったのは本音を通り過ぎて、相手の心を傷つける暴言。男として最低の行為であろうか?本当は少しオブラートに包んで話した方が良かっただろうか?本音を言わないほうが良かっただろうか?
いや、多分彼女の性格上、そのようなことは絶対に許さない。俺が本音を言わないと、何故本音を言わないのかと問い詰めるのがオチだ。
そう自分がしたことを勝手に正当化して、自分は罪を犯していないとしらばっくれる。
俺は白浜を見た。やっぱり、彼女は立ち直っていないようで、何にも言葉を発することはしない。
ああ、やっぱりこれはダメだ。アウトである。やらかしてしまった。これは俺が誤った方がいいのではないか?
なんかやらかした気がしてきたので、白浜に謝ろうとしたその時、彼女がフフフと声を上げて笑い出した。
そんな彼女に声をかけようとした俺の口が固まり、目は彼女から離せない。いや、というよりも、驚きしかなかった。いきなり笑い声を上げだした彼女に俺は驚くしか方法がなかった。落ち込んでいるかと思いきや、彼女は笑みを浮かべていたのだった。
だけど、そんなに陽気な話じゃなかった。まるで、嫌な現実からの逃避行の末、辿り着いたボロクソな笑み。口から出てきたのは負の塊だった。
「ロボットですか……。それは少し違います。ロボットは人の役に立ちますが、私なんかは人の役にも立たないものです。私なんかが生きている意味なんて無いのですから」
生物であるならば生きるという行為と表裏一体で死ぬという行為もある。生物はいつか死ぬ。だから、生物はその死ぬ時まで精一杯悔いのないように生きるのだ。
なのに彼女にはその悔いそのものがないように思える。まるで、もう死が来るのを待ち望んでいるかのようである。
役に立たない。自分を道具として、命ないものとしてしか見ていないのである。彼女は自身の命の重さを軽んじている。いや、もう彼女にとって、白浜舞という一人の少女の命は無価値に等しい。
俺はそんな白浜に軽蔑の視線を送る。すると彼女はそんな俺に笑って見せたのだ。
「私はそんな目で見られてもあまり気には障りません。だって、そんな目で見られるような人なんです」
自分のことをそんな目で見られたら、普通嫌な思いをするだろうに、彼女はそんな素振りを微塵も見せなかった。
なんて彼女は壊れているのか。そんな現実を目の当たりにした俺は、白浜舞の純白な笑顔の裏を知る。