こんな奴でも青春したいっ‼︎   作:Gヘッド

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柚子木、しょげる

「お前、大丈夫かッ⁉︎」

 

白浜にそう声をかけると、白浜は火照った顔を冷たい指先で触る。

 

「はい……だ、大丈夫です」

 

いや、全然大丈夫じゃねぇだろ。

 

どう見たって白浜が大丈夫そうには見えない。なんか、凄く無理をしている気がしてならない。

 

「どうした?本当に大丈夫なのか?」

 

「大丈夫です」

 

もう一度も彼女に大丈夫かどうかを聞いたのだが、彼女は大丈夫だと言い張る。しかし、やはり彼女は全然大丈夫そうじゃない。顔が真っ赤っかになっているのだ。

 

風邪でもひいたのではないのか。彼女の具合が悪そうだから、きっと熱があるのだろう。

 

そう俺は考え、彼女の額に手を当てた。彼女の額は凄く熱く、俺の冷たい手先にジンジンと熱が伝わっていた。

 

……あったけぇ〜。

 

彼女の顔があまりにも温かくて温もるには最適温度だったため、俺はもう片方の手を彼女の頬に当てた。すると、そちらの方からも彼女の顔から出る熱が伝わる。

 

……あったけぇ〜。

 

最適温度すぎた。そのため、俺は時間を忘れて白浜の顔を終始触っていた。その間、さらに顔の温度が上がっていくので、手がいい感じに温もる。側から見ればただのセクハラなのだが……。

 

が、少し熱いと思えるようになってきた。俺は白浜の顔から手を離した。すると、彼女の顔はポォ〜っと何処を見ているのか分からないような目をしていた。

 

「あれ?白浜ッ⁉︎」

 

まさか、俺が白浜に触ったから風邪が悪化したかッ⁉︎って思って少々テンパってたら、彼女の意識が戻ってきた。

 

「あっ、あれ?私、何してたんでしょうか」

 

どうやら白浜は俺に家までの帰り方を違うと指摘した後から記憶がないらしい。しかし、忘れていたというのも一時的なものであり、ものの5秒後には思い出した。その時の彼女の顔は赤くなかった。風邪ではないのだろうか。

 

「あぁ、そう言えば、柚子木くんの手を握ってて……」

 

彼女はそう言いながら俺の顔を見る。そして、俺と目を合わせた瞬間、また顔が真っ赤っかになってしまったのだ。

 

……ってあれ?発熱の原因って俺?

 

可能性はゼロじゃない。俺は白浜の手を握ってみた。すると、白浜はまるで拒絶するかのように俺の手から逃れる。

 

「や、やめてください」

 

……あっ、嫌われた。いや、まぁ、確かにそんな変態的なことしたら嫌われるのも当たり前だよね……。女の子の手を握ろうとしちゃ……。だけど……、なんか、嫌われたと自覚すると悲しさが溢れ出てくるよね。

 

俺は素直にしょぼくれた。負のオーラを全開で出していたら、白浜はそんな俺のフォローをしようとする。

 

「いや、あれはその、別に嫌とかそういうわけじゃないんです」

 

が、そんな優しい白浜の言葉は俺の心の中には届かない。

 

どうせ、白浜は嫌だったんだ。そうだよね。俺みたいな顔もいかつくて、愛想のない人なんかに触れられたくないよね。変態の高校生だもん。俺。

 

「柚子木くん!しょげないでください!」

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