「いや、白浜。フォローなんて別にしなくていいんだ。俺は自分がどんなに醜いかを知っているから……」
ブルーな雰囲気全開の俺を白浜はどうにかしようと頑張って俺をフォローする。けれども、白浜の『すごいです!』とか、『カッコイイです!』などの抽象的な言葉じゃ全然嬉しく思えない。もっと、具体的に詳しく俺を褒めてくれないと、なんかお世辞に聞こえてくる。
そんな抽象的な言葉は誰でも言える。けど、俺がそこで問い詰めたらどうなるだろうか。『俺のどこがいい?』って。そしたら、白浜は言葉詰まるだろう。いや、白浜だけじゃない。他のみんなだって、俺がそう聞いたら口籠るはずである。
どうせそんなこと思っちゃいないのだから。
俺がほしいのはそんな言葉じゃない。彼女だからこそ言える言葉がほしい。具体的に、もっと、俺が俺で良かったってくらい嬉しい言葉がほしい。
……。
っていう感情を全面に出し、懇願する表情をしてみた。それを見た白浜は俺の表情に隠されているメッセージに気付いたようである。
普通こういうことに気づいたら、具体的な俺の良いところとか、近くにいる白浜だからこそ分かる俺のナイスなところとかを俺に教えてくれて、励ましてくれるんだろうけど……。
あれ?何故だろうか?何故俺の目の前にいる白浜は恥ずかしそうに赤面な状態なのか。そして、何故足をモジモジと擦り合わせ、俺と目を合わせてくれないのか。彼女の荒い息が冬の外気に触れて白くなる。
……あっ、これ、めんどくさいやつだわ。
「その……み、見たいんですか?」
まぁ、何ともいきなり素晴らしい言葉をかけてくれたものだ。余計に自分の体を触り、モジモジと恥ずかしそうにしながらそんなことを言われたんじゃ、彼女がどんな間違い解釈をしているのかが一目瞭然だ。
「その、ぬ、脱げばいいんですか……」
ですよね〜。どうせそんなこと考えているんだと思った。
「いや、白浜。ちょっと待て、何をしている?」
「な、何って……、その……、柚子木くんが……」
あれ?俺、脱げなんて言ったっけ?
「脱げみたいな視線で私を見てくるから……」
視線かよ‼︎
「いや、そういう視線じゃなくてね、違う意味なんだよ」
「私を奪う気ですか?」
「違うから‼︎そうじゃないから‼︎何でそうなるの‼︎」
「ゆ、柚子木くんが、いやらしい視線で私を見てくるからじゃないですか!」
えええぇぇぇぇぇ⁉︎俺の目線、エロかった⁉︎普通に見てたつもりだったんだけど、その視線でさえ、エロく見えたの⁉︎
「い、いつも柚子木くんエッチだから……、そういうことをしろって言っているのかと……」
白浜の中での俺って相当変態じゃね⁉︎救いようがない‼︎
俺が白浜に弁明を試みようとしたその時、公園の入り口の方から大声が聞こえた。
「ゆ、柚子木!貴様、舞ちゃんに何をしているんだッ⁉︎」
倉本である。どうやら、倉本は白浜を探しに行ったまま帰ってこない俺を探しに来たようなのだが……
「こんのッ、変態‼︎」
最悪なタイミングで現場を見られてしまったようである。