こんな奴でも青春したいっ‼︎   作:Gヘッド

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ハイパースーパーエクセレントゴッドウルトラ倉本キーック‼︎

昼休み、多くの生徒は教室で机をくっつけたりして昼食を摂っている。それ以外の生徒は食堂に行って絶品のメニューを食しているか、校庭でバスケでもしているのだろう。

 

俺は放送部のインタビューが流れる廊下を歩いていた。放送部のインタビューとは気になる人物のインタビューの事である。ちなみに、俺がインフルエンザにかかっている時に北瀬が出演したらしく、湯島のことは触れていなかったらしい。

 

まぁ、そんなことは今の俺には関係ない。

 

俺の手には怪しい液体の入った瓶が握られている。それは正しく、弥生から貰った秘薬。一度飲むと、二十分ほど自らの姿が消えるんだとか。

 

だが、やはりそんな薬は危なっかしい劇薬で、最悪手足が使い物にならなくなってしまうなど言っていた。もちろん、使う気など毛頭ないが、その薬の被験者として弥生に選ばれてしまった。

 

「……エロいことしてみたいなぁ」

 

そんなことを呟いてしまう。そりゃぁ、健全な男子高校生である俺にとってその夢は捨てきれないものだ。しかも、それが童貞な俺となると、壮大な夢なのだ。

 

そりゃぁ、確かに俺の近くには多数の美女がいるし、やろうと思えばやれるのかもしれない。だが、そこで何故か俺は足を止めてしまうのだ。

 

ココなんかは、まさにそうである。彼女とやろうと思えばやれるのかもしれないが、そうすると顔を合わせるのが気不味い。

 

……いや、彼女ならやろうと思う前にビンタされて終わりそうだな。『光牙様のバカぁ〜』って大声で言われて、一週間くらい口を聞いてくれなさそう。

 

俺は結構チキンだから、襲う前に躊躇ってしまう。だから、俺はいつまで経っても童貞を捨てられない。

 

だから、こういう時こそ、俺は童貞を捨てられるチャンスなのだとも思ってしまう。このよく分からない怪しい劇薬で自らの姿を見えなくすることで、俺にされたということが分からない。そうすれば、今後の関係に心配することもなければ、俺の性の部分の欲求も改善できるのである。

 

つまり、この劇薬は使いたくないけど使いたい品物なのだ。

 

だが、やはり命の危険があるとなるとどうしても飲むことを躊躇してしまう。何か、もう一つぐらい俺がこれを飲む要因がないと……。

 

その時だった。後ろの方でバタバタと廊下と靴底が激しく音を鳴らしているのが聞こえた。そして、その足音が物凄いスピードで俺に近づいてくる。

 

俺は振り向いた。だが、もう遅かった。その時にはもう靴の裏とスカートの中しか俺の目には映らなかった。

 

「ハイパースーパーエクセレントゴッドウルトラ倉本キーック‼︎」

 

「ヘブホッ!」

 

顔面を飛び蹴りされた俺はゴロゴロと廊下を転がって壁にぶち当たった。

 

「ぬはははは!どうーだ!私の必殺技は!痛かったか⁉︎痛かったか⁉︎」

 

俺を飛び蹴りした張本人は倉本で、彼女は自分の足が俺の頬にクリーンヒットしたのだと知ると、満面の笑みを見せつけた。そして、悦に浸るかのようにドヤ顔をする。

 

「いってぇな、ボケェ!」

 

「私の前でトロトロと歩いているのが悪い!」

 

なんと理不尽な理由なのだろうか。廊下をただ歩いていただけなのに蹴られるなんて。

 

酷い。あまりにも酷い。俺、インフルエンザ治ってから、まだ学校に登校し始めて一日目なんだけど。

 

多分、彼女のストレス発散機の俺が学校に全然来れなかったから、彼女はストレスが溜まっていたんだろう。だから、彼女は気持ち悪いほどにハイテンションで俺に飛び蹴りしてきた。きっとそうに違いない。

 

そうじゃないと、蹴られたことの理由が本当に理不尽なことになってしまう。

 

「お前、先に行ったんじゃないのかよ」

 

「いや、お前を蹴りたいから、少し待ち伏せしてた」

 

え?そんな面倒くさいことしなくてもいいのに。っていうか、さっさと部室に行けよ!

 

俺がやれやれと思っていると、彼女は俺にこう尋ねた。

 

「柚子木、お前その薬、何に使うつもりだった?」

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