今回のお話は急展開ですね。
まあ、本編をお楽しみくださいませ。
今、俺と白浜は倉本の家にお邪魔している。
「はい。これ、お茶ね」
倉本は俺と白浜にお茶を出してくれた。そのお茶はお茶ではないのではないかというほど色が濃かった。
……いや、ちょっと待てよ。
俺は白浜のお茶の色を確認する。白浜のお茶は普通の緑茶である。
「なぁ、倉本。これって緑茶か? 」
すると倉本は「ああ、お茶だぞ」と答えた。
俺は半信半疑の気持ちでそのお茶を飲んでみた。
……何だ? 苦い。
段々と苦みが増してきた。
「お前、お茶じゃないの入れただろ! 」
俺は倉本にそう言うと彼女はドヤ顔しながらこう言った。
「はっはっはっ! それはただのお茶じゃないのだよ! お茶と青汁を1:9の割合で入れて、さらに苦い食物のエキスを色々入れたのさ!どうだぁ? 苦いだろぅ? 」
「まあ、苦いけど結構美味いよ」
馬鹿め! 俺の方が一枚上手だったようだな‼︎俺は苦いのが好きなんだよぉ!
俺がそう言うと倉本は「チッ‼︎ 」と舌打ちした。
それと同時に俺がドヤァをする。
ああ、この優越感最高!
とまぁ、お話は置いといて、俺たちがここに来たのには理由がある。ドヤ顔選手権ではない。
「おい、倉本。お前、何で学校休んだんだ?」
俺は唐突に倉本に聞いた。倉本は一瞬驚いたようだがその後こう言った。
「少々頭が痛くてな。でも、もう大丈夫だ。明日は登校できる」
倉本の声は小さかった。
本当に大丈夫なのか? 俺にはそんな風には見えないのだが
俺と倉本が話している時、白浜はそわそわして落ち着かなかった。
「白浜。どうした? さっきからそわそわして。トイレか? 」
「違います! 女の子にそれを聞くのは非常識です! 」
「そうか。おい、倉本! お前、白浜に薬を盛ったか? 」
「は? 何で私が? 白浜さんにする訳がないじゃない! まぁあんたなら別でけど」
こいつよく人前で堂々と言えるよな。そんなに物騒な事。
「本当にどうした? 」
俺は白浜に尋ねる。
すると白浜は嬉しそうな顔をしながらこう言った。
「私、友達の家に来るのは初めてなんです!だからそれが嬉しくて嬉しくて」
白浜はキョロキョロと周りを見渡す。まるで初めて遊園地にきた子供のように。
白浜は初めての友達の家に興奮したのであろうか。いきなりいつもの白浜ではなくなった。
「あの、友達の家ではこういう事やるんですよね! 冷蔵庫の中を見るとか! 本当はダメかもしれないですけど、今回だけっ! 」
と言って冷蔵庫を見たり、倉本の家にある漫画を読んだり。
倉本は凄く焦っている。いつもの白浜ではないために倉本もどうすればいいのかが分からないからだ。
もちろんそれは俺も同じ事。白浜のテンションがおかしいために、白浜が怖く思えてきた。
しばらくすると、暴走マシーンなる白浜は次なる行動に出た。
「じゃあ、次は倉本さんのお部屋の中を覗いちゃいましょー! 」
白浜は倉本の部屋らしき所のドアを開た。
「あっ、そこはー」
倉本は止めようとした。しかし、もう遅かった。白浜は部屋に入ってしまったのである。
「おい、白浜。倉本の家ん中勝手に漁るなよ」
俺はそう言いながら白浜が入った部屋に自分も入る。
「なっ⁉︎ 」
俺は部屋に入った時、衝撃の事実を見た。
倉本の部屋は殺風景であった。ベッド、机、本棚、タンスと家具が置いてあった。
思春期女子とは思えないほどの質素さ。ただ、俺はそれに驚いたわけではない。
そこの部屋の真ん中には縄が天井から吊り下げられていた。そこの下には椅子があった。
これは首吊り自殺……。どういう事だ?俺はその時倉本が取ろうとした行動の考えがついた。
それはあまりにも突発的かつ、メンタル面の弱さが伺える。そんな行動。もちろんその行動を起こそうとしたのは定かではないが、もし、その行動を起こそうとしたらそれは少し気が早すぎる。
さらに、俺は机の上にある物にも目を疑ってしまうほど驚いた。
机の上にあった物はカッターだった。そのカッターの刃先は少し赤く色づいていた。
その時、倉本が部屋の前にきた。
「あっ、倉本。こ、これは」
俺と白浜は弁明しようとした。
倉本は下を向くと小さな声でこう言った。
「帰ってくれないか? 」
その言葉は胸に刺さった。
「いや、でも、お前、これは? 」
俺は倉本に聞いたが倉本は答えようとしない。
すると今度は白浜が倉本に対してこう聞いた。
「何でこんな事をしようとするんですか? 」
俺たちはあくまで、この行為をやめさせようとした。
しかし、それは倉本の逆鱗に触れた。
「帰れって言っているんだから帰ってよ‼︎私の事なんか何にも知らないくせに‼︎ 」
その声はいつものウザクールの倉本ではなく、動揺しながら荒ぶった声だった。でも、どこか声が小さい。
その言葉に俺と白浜は押され気味であった。
率直に帰れと言われてしまった。お邪魔している身である以上、これ以上いることは出来ない。
「おい、白浜。帰るぞ」
俺は白浜にそう告げた。
「えっ? でも、じ、自殺ですよ? 未遂ですけど……」
「いいんだよ」
俺はそう言うと白浜と自分の鞄をとって帰り支度する。
白浜はおどおどとしていたが帰り支度をし始めた。
そして俺と白浜は帰ろうとドアを開ける時に俺は倉本にこう助言した。
「お前、明日も気持ちが落ち着かないんだったら学校休めよ。あと、分かっていると思うがもうするなよ。自殺っていう逃げの方法をあまり俺は勧めない。明日も来るからな」
俺はそう言うと倉本の家を後にした。
倉本は多分自殺しようとしたんだ。何回も何回も。今日、学校を休んで。でも彼女は死にきれなかった。
その証拠が声である。首を吊る際に何回も何回もしていたために喉の調子が悪くなったのだろう。
何が彼女をそんなにも自殺をさせようとしたのか。それが謎である。
ただ、なんにせよ、自殺で逃げようとするのはあまり俺は好きではない。
とにかく目の前の倉本和穂という一人の女性を助ける。それが今俺がすべき事と思う。
彼女を何としても更生させる。絶対に……。
この小説は毎朝8時ですが、ごく稀に作者の機嫌と気分により変えるかもです。