え〜、作者、この頃色々と仕事がありまして、あんまり手をつけられなかったみたいな状況です(ーー;)
一応、いやでも続けますが……。
そんなわけで、本編どうぞ〜。
初恋を話せと強要された。
「えっ?俺の初恋の話?嫌だよ。聞いて誰が得するのさ」
「誰も得しないけど、それは俺も同じだ。俺も言ったんだから、お前も言うのは当然のことだろ」
「え?マジですか?」
「マジ。マジのお前の恋話。なぁ、聞きたいよな」
「儂か?まぁ、ジュースの肴にはなるだろうな。面白い話を期待じゃ」
二人はまるで俺を試すかのように見てくる。だが、俺には彼らに話すような初恋の話などないのである。
「話せない?何で?あれか、まさか初恋が白浜ちゃんだからか?そりゃぁ、語られても面白くはないな」
「ちげぇよ。白浜は初恋なんかじゃねーよ。まぁ、確かに一学期の時はスゲェ好きだったけど、なんか冷めたつーか。二学期ぐらいからあいつの見方が変わったし、もう今は恋愛的な感情は抱いてないね」
だが、どうしたものか。俺の初恋とはどのように言えばいいのか。
「う〜ん。初恋かぁ〜」
「おいおい、早く言えって」
「いやぁ、初恋って言われてパッと思い付いたのがあんだけどさ、それが果たして初恋だったのかなって思ってんだよ」
俺は自分の初恋の時期がいつか分からない。それは記憶が消えているということではなく、あの思い出という名の記憶が初恋と断定してよいのかというものである。あれは俺にとって初恋だったのかというのが自分自身でも分からないのである。
「はぁ?思い出した記憶が初恋か初恋じゃないか分からない?知らねーよ、何で俺がそんなの知ってんだよ」
「まぁ、そうだよな」
「初恋だとパッと思いついたのがそれなんだろ?じゃぁ、それが初恋なんじゃねーの?」
「そんなもんかなぁ」
「そんなもんだろ。やっぱフィーリングだろ。そこらへん」
こういう時、実に北瀬はチャラいんだなと改めて思う。理論とかを立てて行動するようなタイプではなく、直感や感情を重視して行動するタイプの彼は俺よりも遥かにそういうことについての知識は豊富だろう。
「ほれ、話さんか。恋話を酒のつまみにしてやる」
「酒じゃなくてジュースな」
俺は目の前のジュースを口に含ませた。口の中がカピカピになってしまうかもしれないぐらいら話すかもしれないからである。
「言っとくけどさ、案外俺の話、長いよ?」
北瀬は嫌そうな顔をする。
「おい、長いからにはいい話をしろよ!」
「え〜、いい話?んな話じゃねーよ」
「じゃぁ、どんな話なのじゃ?」
「ん?一人の女の子と俺の恋話だよ」
「誰じゃ?」
「は?別にいいだろ。そんなこと」
「いやいや、結構必要」
うむ、あまりあの頃の話はしたくないし、記憶を抉り返したくはないのだが。
まぁ、こういう機会に話すというのもいいかもしれない。
「その女の子は生徒会長なんだ。俺が中二の時、中三の女の子だよ」
「えっ⁉︎まさかの年上?」
「そうだけど……。悪い?」
「いや、何でもねぇっす」
俺はため息を吐いた。記憶のページを巻き戻ろうか。
「あの頃の俺は」