今回はめちゃくちゃええお話に仕上げたつもりです。
まぁ、読んでみてください、
明日は14時に更新します。たぶんですが……。
夏祭りは終わり、ラストは花火だけ。できれば、この嫌な思い出も花火とともに飛んでいってほしいものだ。一瞬して華やかに美しく咲く花。
俺たち三人は花火が打ち上がるのを待っていた。
「まだですかね。花火が打ち上がるの」
「遅いな。何故だ?愚民よ」
「いや、俺は知らねぇよ」
俺たちが神社の近くで花火が打ち上がるのを待っていたら、他のみんなも来た。
「おい、何してたんだ?」
門川が俺にそう聞いた。
「えっ?いや、花火が上がるのを待っていただけですけど……」
俺たちが真剣に言うと、他のみんなに呆れられた。
なんでも、今日は花火を打ち上げないらしい。
この夏祭りは二日間やっていて、俺たちが来たのは最初の日である。しかし、花火が打ち上がるのをは最後の日。
倉本はそれを知ると俺にこう言った。
「お前が今日花火やるって言ったから信用したのに」
「そりゃぁ、悪かった。さすがにそこまでは覚えていなかった。悪い。悪い」
「まぁまぁ、倉本さん。柚子木くんも悪気わるぎがあったのではないのですから許してあげましょう」
倉本は白浜にそう言われると黙り込んだ。
それでもなお、倉本は俺をじっと見ている。まるで罪人を見ているように。
倉本は楽しみであったのだろう。初めて誰かと、信用しあえる人と花火を見るというのが。
すると、門川が俺たちにこんな事を言い出した。
「まぁ、こんな事もあろうかと俺が花火セットを持ってきたからこれでしよう!」
ナイス、門川!さすが、三竦み。物事を先まで読んでいる。
俺たちは家へと戻って、家の庭の方で花火をする事にした。
門川は自分のバックからファミリー花火を取り出してきた。置くタイプの花火と持つタイプの花火があった。
これを見た広路は「よく持ってきたね」と言っていた。
まったく、その通りである。門川は遊び人だからこういう楽しい行事は必ず行うが、ここまで来てもやるかと思わされた。
「これが、俺が持ってきた全部だ。全部使ってくれよ」
門川はそう言うとササッと準備をした。ロウソクに火をつけて、バケツに水を入れて。
すると、一番に花火をとったのは倉本であった。
「なんか、今日は積極的だなっ!」
門川が倉本にそう言うと倉本は「黙れ、変態。目を潰すぞ」と言い返した。
まぁ、やっぱりいつもの倉本である。しかし、よくここまで門川にはタメで話せるなと思う。倉本はまだ男性恐怖症は残っているが、結構落ち着いてきた。それの効果なのかもしれない。
俺たちも倉本につられて、自分が火をつける花火を取って行った。
俺たちは花火に火をつけた。花火は綺麗な赤い光とブォォォと聞こえる音を立てていた。ちょっと時間が経つとその赤い光は煙に少しかかっていった。しかし、その中でも赤い光はくっきりと見える。
そして、花火は消えてしまった。花火がきえるとバケツの水の中に入れた。
俺は次の花火を取りに行こうとしたが、ふと、端っこの小さな所で静かに座っている倉本を見つけた。
倉本に近づいてみると倉本は俺を睨んだ。
まだ、怒ってんじゃん。
俺はそう思いながら花火の方に目を向けた。倉本は線香花火をやっていた。
「お前、線香花火かよ。まだ早くね?」
「そうか?別にいつやっても同じだと思うが」
「まぁ、そうなんだけど……」
俺と倉本が話している間に倉本の線香花火が落ちてしまった。
まだまだ続けられたのに。下手へたくそだな。
俺はそれを見ると線香花火を二つ持ってきた。
「ほら、お前下手だから、俺がレクチャーしてやんよ」
「は?愚民のお前がか?」
「まぁ、いいだろ!とにかく、火、つけつぞ」
俺と倉本は線香花火に火をつけた。
「いいか?線香花火ってのはもっと慎重にやんないと。どこまで大きく出来るかが重要なんだから」
俺と倉本はじっと線香花火を見ていた。すると、倉本は俺にこんな話をした。
「なぁ、なんでお前は私の所に来たんだ?」
「は?」
「いや、だから、何故、今、私と線香花火をしているんだ?」
「お前が、下手くそだから。それだけだ」
「はぁ、まったく分かってないな」
「えっ?なんて言った?」
「何も言っていない。忘れろ……あっ!」
倉本は線香花火を落としてしまった。彼女は線香花火を落としてしまうと俺に笑顔で「落としちゃった」と言った。
俺もその笑顔につられて線香花火を落としてしまった。彼女はそれを見るとクスクスと笑いだした。
たまに見る笑顔にドキュンときてしまった。
俺はクスクスと笑う倉本にこう言った。
「なんか、お前変わったよな。その、丸くなったっていうか」
「そうか?……まぁ、今は生きていて良かったって思ってる。花火は初めてだが、楽しいものだな」
「そうか。なら良かったよ」
俺はまた新たに花火を取りに行こうとした。倉本は最後にこう言った。
「本当に楽しいよ。こんなに楽しい仲間と一緒にいられるなんて。無茶苦茶だけど、でも、そこがいい。……その、感謝はしているんだ。…………ありがとう」
俺はそれを聞いたが返事はしなかった。
倉本はそう言うとみんなの方に混ざっていった。