……的な。
えー、今回はまぁ、次へ繋げる架け橋みたいな奴です。
まぁ、本編を楽しんでみてください。
俺は教室に着いた。いつもよりも少し早い。車で送ってくれたおかげだろうか。席に着くと北瀬が俺の所にやってきた。
「お久〜」
「おう。……で、何でここに来た?」
俺がそう聞くと北瀬は胸を張って堂々と答えた。
「なんと、我が校のサッカー部が都大会でベスト4に入りました!」
「ほう。そりゃお疲れ」
「……えっ?それだけ?もっと他ないの?なんか……どんな感じ?とか」
「いや、特に」
北瀬は肩をガクンと落とす。
まぁ、北瀬が言う前に俺は知っていた。クラスのラ◯ンでこの事が速報として流れていた。
北瀬は一年でただ一人のレギュラーである。見た目はチャラ男でクズみたいな奴だが、運動神経は結構いい感じである。
俺と北瀬が楽しく話していると赤石と湯島が話に入ってきた。
「あっ、私知ってるよ。北瀬、頑張ったんでしょ?」
「そうなんだよ!めっちゃ頑張ったんだよ!湯島、君はわかってくれる奴だな。柚子木には特に言う事ないって言われたんだけど酷くない?赤石さん」
「そうかしら。私にはスポーツの意味がわからないのだけれど……」
「えっ?赤石さんってスポーツ嫌い?」
「別に嫌いじゃないわ。ただ、あまり何かに熱中できないだけ」
熱中できない……か。つまらん女だな。
赤石は学級委員長をしているし、勉強だって学年トップ。それに運動もそこそこできるし容姿端麗。ただ、しいて言うなら、何にも興味を示さない女。ちょっとずれた所もあって可愛い所もある。でも、彼女の目の中に映るものは全てが同じものにされてしまう。無駄というものに。
「ねぇねぇ、委員長ってさぁ、趣味はないの?」
「趣味は……勉強かな?」
べ、べ、勉強だとっ⁉︎勉強が趣味⁉︎は?何を言っているんだ?あれは趣味としてできるものなのか?
「まぁ、一番を取っておけばいいらしいから取ってるだけ。特にそれ以外の理由はない」
「それって自分のためなの?」
「さぁ、わからないわ……。もう浦部先生が来ちゃうから席に戻りましょう」
赤石はそう言うと自分の席へと戻った。
「あれは似ているな。私と……」
隣で突然声がしたために俺は振り向く。そこにいたのは倉本であった。倉本は俺より相当背が低いから上目遣いで話してきた。
「どうだ?私の上目遣いは。気持ちいいか?」
「お前、ギリギリアウトだぞ」
「いやいや、セーフだろう。どう見たって」
「まぁ、この状況を絵で書けたらな。ただ、作者は絵心ないから無理なんだよ。……ってかさっきの言葉は何?」
「何とは?」
「いや、意味だよ。何であんな事言ったんだ?似てる?どういう事だ?」
「ああ、あれか。まぁ、特にやる事が無くて退屈している。ただそれだけだ」
「なんだ。驚いたわ。自殺すんのかと思った」
「流石にそれはないだろう。赤石さんは変な所はズレているけど、そこら辺はちゃんとわかる奴だ」
「お前は分かんない奴だったわけだな」
「あれはしょうがない。成り行きだ」
成り行きで自殺ってできるものなのかねぇ。俺には無理だわ。少なくとも家族がいるまでは。
「彼女を救っている何か……か」
倉本はそう言うと軽やかなフットワークを駆使して俺にタイキックをしてきた。
「えっ⁇何でいきなりタイキック?」
「いや、いつまでも気づかないお前に嫌気がさした。それだけ」
「気づかないって何?」
「さあな。自分で考えろ。愚民め」
彼女がそう言うと浦部が教室に入ってきた。すると、倉本は自分の席へと戻った。
俺は何かを見落としているのだろうか。それとも、俺は何かに感づいていないのか……。