今回から柚子木は悩みを解決するために始動してゆきます!
まぁ、そこは本編を見てください。
一時限目は体育の授業。この時期はバトミントンを授業でやる。もちろん、俺はバトミントンなんか全然やった事ないし、やる気もない。ただ、俺はこの授業が好きだ。
それは男子諸君ならわかるだろう。
この学校の女子の体育着はブルマ。そのため、男子と女子を分けて体育をしている。しかし、ネット一枚越しなのでほぼ分けていないも同然。話だってできる。そんな場所で女子たちが頑張って汗を流し、息が荒くなる。少しの動きで揺れる胸。そしていつものスカートでは分からないお尻のライン。ああ、体育って最高。
俺が女子を変質者の目で漁っていたら倉本が来た。
倉本のブルマ姿はとても可愛らしい。小柄な体にブルマが似合っている。少し胸は小さいが、それはそれでいい。……やべぇ、鼻血出るわ。
「おい、愚民!変な目で見るな」
「すまん。この時間は、俺が唯一好きだと思える授業なんだ。週に二回だけなんだからじっくり見させてはくれないか」
ぽっこ〜ん!
俺は倉本からネット一枚越しにゲンコツを食らわされた。
「……で、あれか?委員長の事か?」
倉本は無言でコクッとうなづいた。
何故、倉本はここまで赤石を心配するのか。それは一学期で倉本がクラスで浮いていた時の事。倉本はクラスで話す友達は一人もいなかった。その時に、倉本に話しかけたのは白浜、赤石、湯島である。こいつらのおかげで一人にならずにすんだ。だから倉本は赤石を友達として助けたいと思っている。
俺と倉本が話していると湯島も話に入ってきた。
「何話しているの?」
「まぁ、男と女の恋愛関係についてだな」
湯島はそう聞くと眉をしかめた。
「それって柚子木と和穂ちゃんが付き合ってるって事?」
「なわけねぇだろ。なんでこんな奴と付き合わなきゃいけないんだ」
「それは同感だ」
……何か敗北感がある。確かにそんな気は一切ないが、少しはオブラートに包んで欲しかった。
俺たち三人はみんなのプレーを見ていた。みんな上手いなぁと思わされた。が、しかし、その考えは一瞬で消え去った。
白浜のプレーがあまりにも酷かった。まず、ラケットに当たらない。テニスじゃないのに何故テニスの距離感で打とうとするのか。それに、体力が低いたらありゃしない。
そのプレーを見ていた俺らは絶句、ただそれだけだった。
「ねぇ、倉本。あいつド下手じゃね?」
「……さすがに今回ばかりはフォローが出来ん」
倉本はそう言うと湯島の方を見た。湯島に白浜のフォローを託していた。
「えっ?わ、私?……舞ちゃんの方が私より体力あるって事かな?」
「それはしょうがないだろ。お前の喘息ぜんそく酷いんだし」
自虐ネタはやめてほしい。俺と倉本が妙に罪悪感を感じてしまう。
湯島は生まれつき、非常に重い喘息を持っている。体が弱いのである。医者からは激しい運動を禁止されている。だからいつも体育の授業の時間は見学。ただ、見ているだけ。
「あっ、見て。赤石さん圧勝したよ。小深さんに」
湯島がそう言うので、見てみた。赤石は小深と戦っていたがどうやら本当に圧勝のようだ。
赤石はやっぱり強いな。なんでもできる秀才。
でも、本当にそんな奴が男遊びなんかしているのだろうか……。
「調べるか」
「調べるか」
俺と倉本は同時に同じ事を言った。それは赤石を調べるという事。
かくして、俺と倉本で”赤石の秘密を暴く隊”が結成された。