えー、そうですね。特に話す事ありませんね。
俺たちは今、おしゃれなカフェで尾行をしている。標的は赤石!赤石に好きな人がいるのかを調べるために!
赤石は雑誌を読んでいる。おしゃれな空間に雑誌を読む赤石。絵になる風景である。
「ねぇ、柚子木。赤石さんが見てるページに男にモテるって書いてない?」
「湯島、お前も気づいたか。まぁ、倉本、お前は気づかないよな」
俺と湯島は隣で座っている。そして目の前には倉本が座っている。そんな感じてテーブルを囲んでいる。赤石は倉本の後ろにいるので倉本からは見る事が出来ない。
「うるさい。愚民。早く現在の状況を伝えろ」
「今、雑誌を見ている」
俺が倉本に現状報告をしていると赤石は雑誌を鞄の中に入れて席を立った。俺たちは全力で気配を消した。
「………………」
が、しかし、気づかれた。
赤石がこっちの席にやって来た。
「おい、何故みんなここにいるんだ?」
まさかの事態に俺たち三人はあたふたする。まさかばれたなんて。変装は完璧なはずだったのにっ‼︎
「いや、ほら、ここのカフェ、ネット上で有名なんだよ……」
赤石はサッと携帯を取り出した。そして携帯で何かを入力して、俺たちに見せた。
「ここはそこまで有名じゃかいと思うが……」
見てみると、五つ星のうちの三つ星。口コミには普通。まぁまぁ。などと書かれている。
ってか、赤石の言葉がやばい。堂々と店の中で毒舌暴言を吐きやがった。その言葉を聞いたみんなが俺ら四人の方を見た。
「うわっ。めっちゃ見られてんじゃん」
俺たちは恥ずかしいので赤石を連れて急いで店から出た。もう二度とあの店には入れない気がする。本当に。マジで。
俺は店から出ようとする際に赤石がもたもたしていたので赤石の手を取った。赤石の手に少々汗が感じられた。
店から少し離れた所まで来ると赤石は俺の手を振り払った。
「さ、触るな……」
「あら?柚子木嫌われた?」
「えっ?マジで?俺、嫌われた?」
「そ、そういう事じゃないけど……」
赤石は黙ってしまった。すると、倉本はその空気を打破するかのように話を変えた。
「そういえばさっき見ていた雑誌のページはなんなんだ?」
「えっ、あ、あれは……」
赤石は何も話さなかった。ってか、倉本よくストレートに聞けたな!
「じゃぁ、彼氏はいるのか?付き合っているのか?」
倉本はまたもやストレートに質問を投げつけた。なんか倉本がいつになく対抗心を燃やしているような気もするのだが気のせいだろうか。
「ええ、いたわよ」
えっ?そこはあっさり答えるの?なんで?それに過去形?
今度は湯島が質問をした。
「それってもう別れたの?」
「まぁ、中学の時だからね。でも、なんでその事知っているの?誰から聞いた?」
赤石がそう言うと倉本と湯島は俺の方を見た。
「えっ、俺?いやいや、違う違う。俺じゃない」
「じゃあ、誰なの?」
そりゃ、安平だけど、それを言っていいのかな。
俺が言おうか言わないか迷っていると倉本が「安平先輩よ。新聞部の」と普通にサラッと言った。
その時、俺はこう思った。倉本、こいつにだけは絶対に秘密を言わないようにしよう。
赤石はそれを聞くとため息をついた。
「あの人か……」
「なんだ?なんかあったのか?」
「なんかあったってわけじゃないけど、あの人とは中学が一緒なのよね。彼氏は中学の頃にしか付き合ってないし、今は会ってない」
へぇ、じゃ、安平が渡したあの資料は昔の記事?間違えて混じっていたのか?
「話しはもう終わりでしょ。私、これからカラオケに行きたいの」
へぇ、カラオケか。学年ダントツ一位の赤石でもカラオケに行くんだな。家で勉強ばっかしてんのかと思ったよ。
赤石がカラオケに行こうとすると倉本も付いて行こうとした。
「私も行ってはダメか?」
「いや、別に構わないけど……」
赤石がそう言うと湯島もカラオケに行くと言い出した。
「お前はどうする?愚民よ」
えー、俺かー、どうしようかなぁ〜。
まぁ、いっか。遊ぼ。
「別にいいよ。俺も行くよ」
という事でカラオケに行く事になった。