朝、少し寝坊した俺はすぐに家を出て駅に向かう。そして電車に揺られて、約10分弱で学校の最寄り駅の扇王寺駅に着いた。
いつもその時間帯では駅にいる生徒はほぼいない。俺はそんな状況だから走る。走って学校に行く。
俺の得意科目は体育。だから走るのは得意である。全力疾走で駅から学校に行く。走っていればギリギリ学校に間に合う。
そんな今日も本気のダッシュで学校まで走っていた。足を一歩踏み出すごとに少しづつ変わる街並み。その風景に人の動きが合わさる。
走り続けていると、視界の中にに学校が出てきた。俺はラストスパートをかけた。そして、学校の校門を抜けた。しかし、まだ終わりではない。時間内にクラスに着かなければならない。
俺は校門の近くにある時計を見た。あと2分。急げば間に合うだろう。
俺は急いで下駄箱で上履きに履き替えてクラスまでの階段を上がり、廊下を走った。
クラスに着いた俺は浦部がいないかを見た。どうやらいないようだ。
「柚子木くんじゃないですか!今日もギリギリセーフですね」
「あ、ああ。そう、だな……」
白浜に話しかけられても息が切れてまともに話をする事ができない。
息が少し落ち着いた俺は白浜の方を見た。
「えっ?」
俺は驚いた。白浜がメイドコスプレをしていた。俺はクラスを見渡した。見た所ほぼ全員が執事、メイドコスプレをしている。
「何でみんなコスプレしてんの?」
「柚子木くん聞いてなかったんですか?ほら、昨日言ったじゃないですか」
「何を?」
「もうすぐ文化祭で、私たちのクラスはメイド喫茶をやるじゃないですか。なので、その着付けをしているんです」
え?そうなの?いつの間にそんな話進んでたの?俺全然知らないんだけど。
……どうしよう、俺、執事コスプレ持ってないんだけど。
俺が困っていると小深が俺に服を差し出した。
「はい!」
「えっ?何これ」
「執事コスプレよ。どうせ、忘れた。とか知らなかった。とかで持ってこないんでしょ」
「おお!これ、俺にくれるのか!」
「それ以外に何があるのよ」
「ありがとう!口は前より悪くなったけど、優しさはその分アップしているな!」
ゴンッ‼︎頭で鈍い衝撃音がした。
小深に殴られた。……酷いよぉ。
俺は小深にもらった執事コスプレを着てみた。が、あまり服には興味がないためにカッコイイのかがわからない。
「着れたんだけど……」
執事コスプレをした俺はみんなの前に出た。
「まぁ、私があげた服うまく使ってるしいいと思うよ」
と小深は言うが、
「ふっ、愚民が偉そうにコスプレなどしおって。お前は手錠をされた囚人コスプレが似合うぞ」
と倉本は野次を入れた。まぁ、倉本にはもう散々言われているのでこの頃はもう完全にスルーである。
「わぁ、カッコイイです!柚子木くん!」
白浜が言う言葉は表裏が絶対にない。だから率直に受け取れるためにすごく嬉しい。
俺が白浜に褒められてにやけていると湯島がからかいに来た。
「お前、舞ちゃんに褒められたからってにやけてをじゃねぇぞ!」
うわ、言い方が……。そんなんじゃお嫁に行けないよ。
俺はみんなにからかわれていると北瀬が俺をクラスの外に連れ出した。
「なぁ、お前って、昨日倉本さんと、湯島と、委員長とデートしたんだろ?」
「いや、デートってわけじゃないよ」
俺が全力でその変な情報を否定した。すると、北瀬は俺にある相談をした。
「なぁ、湯島って、何が好きかなぁ。何か思い当たる節はない?」
「いや、特にないな。ってか、何でそんな事を聞くんだ?何かあげたいのか?」
「いや、湯島の誕生日がもうすぐらしいから……」
「へぇ、それっていつ?」
「11月」
「まだまだだよ。気が早い!……何なの?好きなの?お前」
俺が北瀬にそう聞くと北瀬は固まった。
「そうか、図星か」
「いや、ち、違うんだ。す、好きとかじゃなくて……」
「いやいや、言わなくてもいいんだよ。俺が全力でサポートしてやるから」
「だから違うって。本当に。ただ、その、友達としてあげたいなって」
だから、それが恋って言うんですよ!
「まぁ、わかった。とにかく俺が調べてきてやるから」
「本当か?」
「ああ、本当だとも。ただ、一つ条件がある」
「条件?」
「そう。条件は、カップルがよく行くショッピングセンターだ。そこを徹底的に探してこい」
そう、ショッピングセンター。それはある一つの組カップルを成立させるために必要不可欠。
そうですね。今までのを読んでちょっとこんがらがるかもしれないので説明を。
今やっているepisode5は赤石の秘密、あるカップルの二つがテーマです。
文化祭はepisode6にします。