今回はまぁ、物語に拍車をかける回ですね。
服屋に、雑貨屋、本屋に行った。服屋では赤石の洋服を、雑貨屋では面白そうな勉強グッズのペアルック、本屋では赤石に勧められた難しそうな小説が幾つか。もちろん『漢』柚子木光牙は荷物持ちもしてあげる。
「大丈夫か?そんなに持って」
「う、うん。だ、大丈夫だよ……」
ちなみに結構キツイです。総重量数キロ。そうでもなさそうだが、ビニール袋の取っ手にその重さが全てかかるので結構重い。
「やっぱり持とうか?」
「いや!ここは俺がっ‼︎……っていきたいけど、お願いします。重いっす」
という事で、少し赤石に持ってもらった。小説買わなきゃ良かったぜ。小説だけで3/4の重さはあったぞ。
男として見苦しい所を見せてしまった俺と頼り甲斐のある赤石がショッピングモールを歩いていると男の人から声をかけられた。
「ねぇ、君たち。カップル?」
男がそう聞くと赤石はすぐに対応をした。
「えっ、いや、違いますけど……何ですか?」
「いや、僕はこのショッピングモールに訪れたカップル達の写真を撮っているんだ。ショッピングモールから依頼されてね。どう?撮らせてくれる?」
「その、私たちはカップルではないんです。友達同士なだけなんです」
「そうかぁ、ごめんね。仲の良さそうなカップルに見えたから」
カメラマンはそう言うと俺たちを撮影するのを諦めた。
俺はこの時、一つ理解した。都会って本当にこんなのがあるんだなぁ、と。
にしても赤石は凄いな。いきなりの事で俺は何も言えなかったのに、赤石はとっさに対応をするなんて。さすがは赤石だな。
そう思いながら赤石を見た。赤石は何処か浮かない感じがしていた。歩きながらも何処か遠くを見ているようで。
「おい、赤石」
「…………」
えっ?無視?嫌われた?
「おい!赤石?」
「……ん?何だ?」
俺は赤石が反応してくれてほっとした。なんの前触れも無く赤石が無反応になってしまったために、めっちゃ焦った。嫌われてしまったのかと思った。
「なぁ、どうした?考え事か?」
「いや、別に何でもない。それより、フードコートに行かないか?お腹が空いてしまってな」
「ああ、別にいいけど」
何だ?どうした?いきなりさっきのカメラマンにあってからなんか変だぞ。
……まさか、痴漢でもしたのか?
いや、そりゃないな。何考えてんだ。俺。だってあの短時間で俺にばれないようにするなんて不可能だからな。
と、ここで俺すごいですよアピールを出していたらフードコートに着いた。フードコートにはハンバーガーに、ラーメン、うどん、ビビンバなど色々なものが揃ってある。
「どれも旨そうだなぁ。俺はラーメンにしようかな。委員長は何食べる?」
「私か、私はパスタ、ステーキ、ビビンバ、アイスだな。あっ、餃子も欲しいな。クレープも、ピザに…………」
で、結局俺たちは二人なのに四人分の席に座る事になった。俺はパクパク食べる赤石に質問した。
「……ねぇ、委員長」
「何だ?」
「そんなに食べられるの?」
「まぁ、食べる事は可能だ」
可能⁉︎何、その言葉!なんか俺にも被害及びそうで怖いんだけど!
ってか、この量は洒落しゃれにならない。おかしい。俺が食べるのはラーメン一杯のはず。ギャル○根じゃないんだから。
俺が黙って赤石を見ていると、赤石の凄さにまた気づいた。それは、赤石がブラックホールのように食べ物を口に入れているからだ。今度からあだ名は『委員長』じゃなくて『天才ブラックホール』でよくないか?
まぁ、お遊びはここまでで、こっからはちゃんとするぞ!俺!
「なぁ、赤石」
「いはたへへいふんはかあひょぉおあっえ(今食べているんだからちょっと待って)」
「いや、何言ってるか全然わかんないんだけど」
「ほひゃぁ、たへへいふんはかあ(そりゃぁ、食べているんだから)」
「……そうか。まぁ、一応聞いておくけど、お前さっきのカップルって言葉に動揺しすぎだろ。いくら捨てられたからってそこまで何なくても」
「ブホォォォッ‼︎」
「⁉︎」
赤石は吹き出していた。きたなぁぁぁぁい!食べ物を粗末にしちゃいけませぇぇぇぇぇん!
赤石は吹き出して汚してしまった所を拭きながら俺にこう質問した。
「お前、何で私が捨てられたって知ってるんだ?」
「だって、そりゃぁ、安ひ……」
あ、やべぇ、ばれたわ。勝手に安平から情報聞き出してたの軽くばれた。
俺は赤石の方を見ると赤石は少し怒っていた。
「へぇ、人の個人情報を勝手にねぇ〜」
……こぇぇよぉぉぉ。