今回からepisode5の終わりらへんをやってきます。
「……で、お前は何で私が捨てられたと知っている?」
「えっ?捨てられた?はて、何のことかさっぱりわからないなぁ〜」
赤石は俺を突き刺すような目つきで見ている。ラーメンを食べようにも食べられない。……早よラーメン食いたいんだけど。麺が伸びちゃうんですけど。
「もう一度聞くぞ。何故知っている?誰から聞いた?」
「いや、だから本当に……」
「じゃぁ、舞ちゃんにデマを流すぞ」
「うっ!」
出たよ出たよ、女子の厄介な所『女子同士で群れたがる』が。女子の情報網は怖いからな。まるでネットのように広がっていくからな。
まぁ、ここは安全策として……。
「ああ、安平から聞いた」
仲間を売る‼︎これがこの世の一番最低で一番安全性が高い方法‼︎
「安平さんか。まぁ、だろうなとは思ったが」
「えっ?分かってたの?」
「まぁ、私と同じ中学で今も同じ人はあの人ぐらいしかいないしな」
「へぇ、そうなんだ。家遠いの?」
赤石は俺の頭をガッと掴んだ。
「話をそらすな。お前の罪は消えてないぞ」
……怖い。眉間にシワが寄りまくってる。
「ま、まぁ、そう怒らないで。ねっ?平和的に、平和的に」
「何が平和的だ。人の情報を秘密裏に収集しておいて」
「それはそれ、これはこれですよ。赤石さん!」
俺が胡麻を擂すっているとまた睨まれた。ああ、あの時変な事言って自滅してしまったせいで。
「……で、何か言う事はないのか?」
「はい、マジ本当すいませんでした。はい、反省してます」
「まぁ、別に怒ってはないんだがな」
嘘つけっ‼︎怒りマークが10個ぐらいできてんぞっ!
「おい、柚子木、お前は何で安平にそんな事を聞いたんだ?別に私の事を聞いたって得はないだろう」
「ん〜、そこらへんはよくは分かんねぇや」
「よく分からないって……」
「でも、得とか損とかじゃなくね?だって、友達だから気になるっていうか、支えてやるっていうか……」
「……そうか、私は友達か」
「えっ?何?何か変な事言った?」
「いや、何でもない」
いやいや、さすがに何か心の傷に塩を振りかけちゃったみたいじゃないですか。罪悪感が残るんですけど。
「でも、そこまで考えてくれていたのは、その、嬉しいものだな……」
赤石は口元を緩ませた。俺はその時、いつもの赤石ではない赤石を見た気がした。どこか優しさがあって、暖かい。そして、産まれたばかりの馬のように歩くのが下手くそ。だからこそ、見守ってあげたくなるような雰囲気を出していた。
全然つまらなくない。面白い女だ。
「ってかさ、やっぱり、生徒会には入んないの?」
「まぁ、大学受験もあるしな、私には生徒会にいる時間なんてないんだよ」
彼女はそう言うと荷物を持って他の店に行こうと言い出した。
「本当にそう思っているのか?」
「何がだ?」
「いや、本当に委員長が生徒会をもうやらないって思ってるのかなぁって」
赤石は動きを止めた。
「つまり何が言いたい?」
「実際、やりたいんじゃないの?生徒会。怖いけど、それでもやりたい。そうじゃないの?」
「本当にそう思っているなら私は大馬鹿だよ」
彼女はか細い声でそう言った。
まぁ、どうせどこかでがたが外れるでしょ。彼女の思う気持ちが本物であるならば。