今回でショッピングモールは終わりで、後の場面は学校ですね。
「私はもう生徒会なんてやらない。やりたくない。私にとって生徒会は過去の遺物なんだ。あそこに置いてきてよかった」
「そう、じゃぁ、やらないんだ。生徒会」
「そうだ」
赤石はいつもみたいに凛としている。ただ、いつもなら俺の話は無視する。それは興味がないから。でも、今の彼女は俺の話を聞いていた。それはつまり心残りがあるって事なのではないか?
「委員長はさ、何で委員長になったの?」
「……」
「俺は委員長が生徒会に入ってほしいって思ってる。やりたい事をやってほしい。せめて、中学の頃にやりきれなかった事だけでも」
「やりきれなかった事など無い。私は最善を尽くした。それだけだ」
「……何が最善を尽くしただ。未練たらたらのくせにようそこまで言えたな」
「何だと?」
赤石は俺を睨んだ。乗ってきた乗ってきた。
「だって、お前言ったろ。『君みたいな人があの時にいてくれたらどんなに楽であったかと私は何回考えただろうか』って。まんま未練たらたら文じゃねぇか」
俺が急所を攻めると赤石は口をこもらせた。
「なぁ、お前さ、すこしは人に甘えるって事してもいいんじゃないか?お前はよく頑張ったよ。だから……」
俺がそう言うと一瞬、赤石は彼女の中に溜まってた黒い塊を吐き出したようにも思えた。
「お前に何が分かる。そんな同情なんかいらない。同情なんかされてもその時は戻ってこない。……もう、帰る」
彼女はそう言うと荷物を持って帰ってしまった。俺はそんな彼女を止めなかった。
ああ、私、何言ってんだろ。何で素直に言えないのかな。
何で、あいつはいつもみんなを助けてくれるのかな。
……私、何考えてんだろ。
「……で、あんたたちは何コソコソ見てんすか?」
俺は柱の方を向いた。そこでは倉本、門川、広路が柱に隠れていた。どうやら、さっきの一部始終を見られていたようだ。
「いや〜、可愛い後輩の仕事ぶりを見ていたのさ」
「本当に可愛いって思ってます?」
「いやわこれっぽっちも、思ってない」
「広路先輩の事は?」
「可愛い……馬鹿、言わせんなよ。くそったれ」
広路はそれを聞くと顔を赤くした。そして俺と倉本がそれに合わせて口笛をヒューヒューと吹く。
が、しかし、このイチャイチャだけで終わる事は出来ない。
「おい。倉本」
「何だ?」
「あのさ、何でお前は先輩達と一緒にいるの?」
「(ギクッ!)。さ、さぁ、知らないなぁ〜」
逃げようとした倉本の頭を掴んだ。
「どこへ行くのかな☆」
「……す、すいませんでした」
「いやいや、謝れとは言ってない。何で先輩達と一緒いるの?」
「そ、それは……」
倉本がたじたじしていると門川が代弁をしてくれた。
「ああ、こいつ俺らに見つかったんだよ。馬鹿だなぁ」
「……へぇ、見つかったんだぁ〜。どうなるか分かるかな?」
「ま、マジですいませんでした。柚子木光牙様。お許しを」
「よろしい。……じゃなくて、そうじゃないんだよ。どうするかだよ。赤石を!」
俺が倉本に聞くと倉本はそっぽを向いた。
「私は知らん。怒らせたのはお前だからな」
「まぁねぇ、そうだけどぉ〜」
俺は頼みの綱として先輩二人に頼んだ。
もちろんお二人とも軽くスルー。
「まぁ、そこらへんは自分でやってみろ。なるべくお前の力で人の青春道を邪魔する物をぶち壊せ。それでも、無理だったら助けてやるから」
「まぁ、私たちもやる時はやるけどねぇ〜。大変だしぃ〜」
……このヒモ人間どもめ。やっぱりこいつらに相談した俺が馬鹿だった。