今回で赤石さん説得がラストです。そしてもうすぐepisode5が終わります。
「まぁ、まともな理由はない。だからある」
俺がそう言うと赤石は首をかしげた。
「は?日本語を喋ろ。よくわからん」
「日本語‼︎ちゃんとした日本語。Do you know?」
「意味だ、意味。意味がわからん」
「普通に受けとれよっ‼︎」
「フ・ツ・ウ?どうやって?」
ああ、だめだこりゃ。俺がちょっとかっこよく決めたのに分かってないとは。本当に、変な所でつっかえるなぁ、赤石は。
「だから、まともな理由はない。それが俺の理由」
「つまりはないのだな?」
「そうだよ!ちょっとかっこよく言いたかったんだよ‼︎台無しにするなよ!」
うう、もう俺恥ずかしくてお婿に行けない……。死ぬほど恥ずかしい。体が熱くなってくるのがわかる。すごくわかる。めっちゃ汗出てきた。
「で、まともな理由はないか……。じゃぁ、私は入らない」
「あらら、やっぱり無理だった?不合格?」
「残念ながらな。まぁ、お前らしかった」
赤石は荷物をまとめて帰る支度をする。今度は本当に帰るだろう。
ラスト、ラストの一回。何て言えば俺の心が届くだろうか。
「じゃぁ!私は今度こそ失礼する。……その、楽しかったぞ」
赤石は足を動かした。
「おい、待てって」
赤石は立ち止まった。そして俺の方を向いた。
「ん?何だ?まともな理由が出たのか?」
「まぁ、ギリギリ出せましたよ。ねぇ、『委員長』」
「何だ。改まって」
「あなたはどんな思いでその『委員長』という役に就いたのか。それを教えてくれないか?」
「別に思いなどない。ただやりたかったから」
「本当に?それはあんたの本心か?」
赤石は黙った。彼女は考えていた。今まで意識もしなかっただろう。
しばらくすると赤石は顔を上げた。
「ふふっ、お前は本当に面白いな。私も考えた事がなかった」
「で、どうなのよ」
赤石は空の方を向いた。太陽は下りつつある。
「そうだな。私の負けだな」
俺はこっそりとガッツポーズをした。うっしっ‼︎
「私はまたやりたかったのかもしれない。だから似たような事についたんだろう。まあ、言われてみれば的なやつだ」
「だろ?」
俺は何か上機嫌になりつつある。
「何だ。嬉しそうだな」
「そりゃ嬉しいさ。だって赤石が生徒会に入るんだぜ」
「まだ、決まったわけではない」
「いや、俺が認めた赤石だ!大丈夫」
俺は赤石に親指を立てた。満面の笑顔で。そんな俺を見ると赤石も笑った。
「私はもう帰るぞ」
赤石はそう言うと俺から離れていった。その、帰り際に赤石はこう言った。
「まぁ、本当はもっと嬉しい言葉を期待してたんだがな……」
赤石はこの言葉を言い残したら帰ってしまった。
「何だったんだ?」
俺の頭の中に疑問がいっぱい詰まっている時、倉本の声がした。
「ああ、倉本。どこ行ってたんだよ」
「まぁ、お前たち二人の行動をずっと見てた」
「えっ?ずっと?」
「ああ、ずっとだ。ゆくゆくはエッチなシーンになるかと思っていてカメラを回していたがならなかったな。ドンマイ」
お前にどうじょうされたくなぁぁぁぁぁぁぁい!くそっ‼︎せっかく考えないようにしてたのにそういう事言うなよぉ〜!俺だってエッチな事いっぱいしたいよ!でも出来るわけないじゃん!せめてR-15でもいいからって何回考えたことか‼︎
……ああ、本当に倉本の言葉は今日で一番心にキタわ。
「まぁ、お前はあんな感じに言ってよかったと思ってるぞ」
「あんな感じって?」
「ほら、何回もまともな理由を聞こうとしてただろう。あれは本当はどんな事を聞きたかったのか。本当に、赤石は頭がいいな。相当なやり手だ。本当にいい
「えっ?何?何か二人って争ってるの?」
「バーカ!愚民ごときにはわからないだろうな。ってか、二人じゃない。少なくとも四人だ。まぁ、お前なんかに乙女の気持ちはわからないだろうな。ほら、帰るぞ」
倉本は俺の耳を強く引っ張った。
「えっ?お前に乙女の気持ち?何言ってんだ?」
すると、倉本は俺のみぞおちに蹴りを一発いれてきた。
「ふんっ‼︎」
「い、痛い!痛いけどありがとうございます!」
「ネタか?」
「ネタだよ‼︎ネタでもやっとかないと悲しくなるでしょ!本日二回目だよ‼︎みぞおちネタ‼︎」
「ざまぁだな。ほら、帰るぞ」
倉本は俺の耳をまた強く引っ張った。
もう、何なんだ。だから女ってわからない。