楽しく読んで貰えると嬉しいです!
「呪い」と書いて「まじない」と読みます。
やって来た姉弟 序
「天道道場って此処だよな?」
「縮みなさい。見えないでしょうが」
そう言って私に手書きの地図を差し出す弟を見上げる。無駄に背を高く伸ばして、姉の威厳を奪うつもりなのかしら?と文句を言う。
しかし、随分と変わった気配がするわね。いや、私が言うのもあれだけど。中々に面白いものが見れるかも知れないと期待を抱きつつ、正門を軽く殴り付けた瞬間、観音開きの扉が弾けた。
「姉ちゃん!?」
「ち、違うのわよ!?かるーく、かるーくやったの!」
アワアワとする私に向かって怒鳴る弟に弁明をしようとした刹那、胴着を纏った長髪の少女が私目掛けて鋭い右正拳突きを打ってきた。
弟の方には中華服を着た三つ編みの少年が蹴りを繰り出し、高速の攻防を行っている。あらら、意外とハンサムな男の子もいるのね♪︎
「いきなりウチの扉を壊してどういうつもり!」
「姉ちゃん、説明してやれ、よッ!」
「ケッ、大方道場破りだろ!!」
その一言にピタリと私達は動きを止める。
そうよね。
何も説明せずに居るのは良くないわよね。三つ編みの少年と長髪の少女に視線を向け、ゆっくりと正門の前に並んで集まってきた天道道場の人達に頭を下げる。
「初めまして、私は
「どうも」
私に続いて頭を下げる弟、句の姿に視線は集まるも直ぐに私の方にみんなの視線は戻ってくる。あんまり視線を集めるのは得意じゃないんだけど。
「お名前は分かりましたが、どうして我が家の門を壊したのだろうか。差し支えなければお話しいただけると我々も話し合いに望みやすい」
そう言って穏やかに笑うちょび髭のおじ様、その隣に立つ丸眼鏡にタオルを頭に巻いたおじ様の二人に気づき、私達は写真を手に取って見比べる。
「……理由だったわね。それは、これよ!」
「写真?」
私の差し出した写真に写っているのは三人の男性が並んでいる写真だ。ちょび髭のおじ様と丸眼鏡のおじ様、その真ん中に立っているのは私と弟の実父だ。
「ムッ!この写真は本条君と取った写真!」
「つまり、お前達は」
「アンタ達が、主にアンタ達の師匠が本条家名義で好き勝手に押し付けた借金と借用書、担保のヤツをキッチリ返して貰いに来たわよ!!」
「ついでにオレは修行相手を探しに来た」
フンスと胸を張る私の真横に立つ句は静かに闘志を沸き立たせ、三つ編みの少年を見据える。やっぱりハンサムな顔しているわね♪︎
「じゃあ、貴女達お父さんの」「お前らは親父の」
「「師匠の借金取り!?」」
「ちゃんと利子付けて返してね♪︎」
「まあ、その前に門の修理代払おうぜ」
わ、分かってるよ、もう!