「わははははっ!!」
「待て、このエロ爺ッ!!」
今日も風林館高校の女子更衣室に忍び込んでいたのか。八宝斎の抱える風呂敷には体操着や下着など沢山の衣類が溢れ、私は深く溜め息を吐いてしまう。
早乙女君の先生になると言っていたから、期待していたのにやっていることは下着泥簿だけ、本当に無差別格闘流の開祖なのかも怪しい。
逃げ足や間合いの見切りは完璧だ。
そう感心しつつ九能先輩に差し出されたウマカバーガーのシェイクを受け取り、
「切ちゅわあぁぁん!!」
「お爺ちゃん、泥簿はやめようね」
私に向かって飛んできていたお爺ちゃんの風呂敷に槍の石突きを突き立て、早乙女君のほうに向かって放り投げると早乙女君のパンチがお爺ちゃんを吹っ飛ばす。
「全く切君との折角の休日デートを邪魔するとは非モテの僻みか早乙女乱馬!」
「誰が僻んどるか!」
九能先輩の言葉に怒鳴る早乙女君だったけれど。魚屋さんのバケツで水を浴び、女の子に変わると九能先輩も流石に気付くかなと彼を見上げる。
「おのれ!またしてもおさげの女を身代わりに使うとは見下げてたぞ早乙女乱馬!!!我が剛刀で素っ首を叩き折ってくれる!!」
「(九能先輩、意外と鈍いのかな?)」
「ぷぎっ」
そんなことを思ってみたりしていると中華料理店の店先に見覚えのある子ブタを見つける。あかねさんの飼っているペットのPちゃんだ。
「すみません。その子ブタ、お友達のペットで」
「あいや。失礼、道を歩いていたからね」
「おいで。Pちゃん」
そう言って子ブタを抱き上げ、九能先輩と早乙女君の勝負を見学する。おさげの女の正体は早乙女君だって教えたら、どうなるのか少しだけ気になってしまう。
モゾモゾと私の胸が邪魔なのか、頭で押し退ける子ブタを持ち上げると顔を真っ赤にしている。早乙女君みたいに君も本当は人間だったりするのかな?
まあ、そうだったら変態さんだけど。
「九能先輩、シェイク溶けちゃうよ?」
「ムッ!食事をダメにするのは宜しくない!」
九能先輩は私の飲んでいたシェイクを一気に飲み干し、頭痛を起こしながら男の子に戻っていた早乙女君を木刀で攻撃していく。
「……うん、こっちも美味しい」
そう呟きながら子ブタの傍に落ちていた荷物も受け取って、あかねさんの家に行ったほうが良いよね?と子ブタに聞けば「ぷぎっ」と頷く。
賢い子ブタだね。
「九能先輩、あかねさんの家にペットを届けに行くけど。追い付いてきてね?」
「承知した!女の敵はくたばれぇい!!」