私の暴露と久遠寺さんの性別露見、早乙女君を取り巻く五角関係にクラスメートはかなり混乱し、壬生先生までもが注意に加わっている。
中々に大変な1日だった。
句君や小鎌さんも面倒臭そうに壬生先生に呼ばれて手伝いに行っているし。私は何をしようかと放課後の教室で、ぼんやりと考え込む。
「あら、一人で黄昏ているのね」
「魔女先輩…?」
いつの間にか私の前の席に座っていた魔女先輩はクスリと笑いながら、ゆっくりと私の外に跳ねる癖毛を触った。何か悪いことを企んでるのかな。
「切ちゃん、貴女って魔法を信じる?」
「摩訶不思議な家系なのであり得るとは思ってるよ。両手からビームを出したりする人もいるし、雷を纏う人も知っているから」
「あら、わりと派手な家系なのね。まあ、今日は大変な貴女に本物の魔法を見せてあげるわ」
そう言うと魔女先輩は
フリッパー型とかそういう名前のダイアルボタンをカバーで保護する最新型のモデルだったと思いつつ、私は魔女先輩の不敵な笑みを見つめる。
「ウーザ・ウル・ウザーラ。闇よ、我に魔法の力を」
綺麗な夜空を連想する漆黒のドレスを纏い、髪の毛に紫色の輝きが宿る魔女先輩の姿に私は見惚れてしまった。本当に綺麗で、童話のお姫様に出会ったように胸の奥がドキドキしてしまう。
「うふふ、貴女の素直な反応は好きよ」
「いや、だって、すごく綺麗だから…」
「うふ、ふふふ、ありがとう。お礼に貴女の
そう言って右手を伸ばしてきた彼女の手首を掴み、頭突きを見舞う。ゴンッ!と鈍い音と椅子や机の吹き飛ぶ音を聞き、前髪を掻き上げる。
「この『鍵』は渡せない。魔女先輩もおふざけなら止めて欲しいかな。次は槍を使うよ」
「うふふ。怖いのは苦手よ、降参するわ。今のイタズラは貴女の態度を見たかっただけ。それに私の本命は此方だったりするしね」
魔女先輩は、ベルトのバックルを見せてきた。
───
「でも、使うならもっと未来になるわね」
怪我もなければ教室の傷も簡単に直して、魔女先輩は普通の制服に戻って、にこりと笑ってまた私の前の席に座り、トランプを差し出してくる。
「トランプ・タワー、しましょう?」
「トランプ・タワー?」
「えぇ、こうやるの」
さっきまでの行動がなかったように時間は流れる。