象に踏み荒らされた天道家に驚きつつ、九能先輩と一緒に正門を開けて入ろうとした瞬間、強烈な殺気を感じて槍を投げつける。
しかし、槍は電柱に突き刺さるだけで人の気配は存在せず、先ほど感じていた殺気も無くなっている。最初から私を見ている人はいなかったのかな?
そう思いながら槍を引き抜き、ボロボロになった居間に集まっている天道家の人達を見る。其処には色々な人を蹴り飛ばした象と、その飼い主らしき女の子がいた。
「あら、いらっしゃい」
「かすみさん、こんにちは」
「こんにちは、かすみさん」
私と九能先輩はお茶を運ぶかすみさんと挨拶を交わして、居間に入ろうとしたその時、イヤな気配を感じて真上を見上げると、うっすらと船が見えた。
何か人とは違う気配を感じる。
「で、どういう騒動なのだ。早乙女乱馬」
「どうもこうもまた元凶はこの爺だッ」
「そうよ!私の青春はその八宝斎のせいで全部滅茶苦茶にされちゃったんだから!!」
それは、流石に聞き捨てならない。
「貴様、この様なうら若き乙女を…!」
「お爺ちゃん、流石にダメかな」
「ち、違うんじゃ!ワシにもやむを得ぬ事情が───いかん!玄馬!早雲!守りを固めよ!」
八宝斎のお爺ちゃんが何かを告げようとした刹那、お爺ちゃんが叫ぶ。それと同時に凄まじい勢いで降り注いできた八角形の鉄の棒が居間のテーブルを粉砕し、かすみさんと天道先輩を守りつつ、私達は空を見上げる。
────空に、
「
「ハッ。申し訳御座いません」
「か、顔が良い…!」
……小鎌さん、おそらく敵だからね?
あと、どこから現れたのかな?
そんなことを思いながらも、明確な殺意を持ってお爺ちゃんを攻撃した。お爺ちゃん、中国で何をやったのかを聴かないといけないかもしれないかな。
「巻き物?」
あかねさんが呟く。
そういえば、私も貰っていたかな?と鞄に仕舞っていた巻き物を取り出した瞬間、「しょうじょう」と呼ばれていた男の殺気が私に注がれる。
成る程、彼の目的は此方の巻き物だね。
「恵比天!」
「ハッ!」
恵比寿様のような見た目をしたおじ様が現れたかと思った瞬間、私とあかねさんの身体に極細の釣糸らしきものが巻き付き、力任せに釣り上げられる。
「くっ!?」「きゃあっ!?」
このままだと捕まるッ…!
「私は、糸色切だッ!!」
身体に巻き付いていた釣糸を掴み、引き寄せ、釣糸が
達人級の武人が八人もいる。
これは、かなり大変かも知れないかな。
「切君を返せ!」
「あかねに何しやがる!!」
「乱馬ぁ!!」
「九能先輩っ!!」
私達を追って船頭まで飛び上がった二人の身体が後ろに弾ける。見えたけど、見えなかった。攻撃の種類が全く分からない。
少し、大変な事になったかな。