何だかんだと恋運ぶ呪いの花   作:SUN'S

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二年生編
遅刻厳禁!? 序


ライム君の猛追は止まらない。

 

流石はお父さんの選んだ許嫁だと感心しつつ、風林館高校に入ると彼は行き交う女子生徒に向かって、手当たり次第に突撃していく。

 

被害を受けるのは胸の大きな女の子だった事を考えるに、ライム君は胸の大きな女の子が好きなのだろう。自慢ではないけど、私は学校で一番胸が大きい。

 

「九能先輩、どうしたら言いと思う?」

 

「ふむ、あのライム某の考えは分からん。しかし、糸益や戟號のような嫌な気配は感じないのだろう。純粋なスケベ男ということになる」

 

「お爺ちゃんと同じってことかな」

 

「そういうことになるか」

 

九能先輩の言葉に小首を傾げる。

 

イヤな気配はしないけど、ハレンチな気配なのか。あるいは、ライム君の何かを私は警戒しているのか。ひょっとしたら麝香王朝の秘密とかかな。

 

「キリ!見つけたぞー!!」

 

「ストップ。今はお昼だから追わないで」

 

そう言って手を突き出して、ライム君の事を止める。やっぱり、猫っぽく感じるのよね。そんなことを思いながらもライム君の分のお弁当(重箱)を差し出す。

 

「お昼は静かに食べる。教えたでしょう?」

 

「う、うん、ごめん」

 

「宜しい。ほら、一緒に食べよう」

 

「お、おおう!」

 

力強く頷いたライム君はお箸を使ってご飯を食べ始める。いただきます。ちゃんと教えたんだけど、お父さんが選んだ許嫁なのに不思議かな。

 

「切君は優しすぎるな」

 

「そうかな?」

 

「切ちゅわあぁん!」

 

「お爺ちゃ、ん?」

 

ポトリと落ちてきたものを手にとって眺める。

 

ブルマー。なんで?と小首を傾げながらお爺ちゃんを追いかける人達に投げ返しておき、あまり追いかけ回して危険な事は止めるように伝える。

 

しかし、男の子ってよく食べるなあ……。

 

「九能先輩、部活はどうなの?二年生最後の試合だって話していたけど」

 

「む?ああ、友引に居る一年生は中学時代に幾度か仕合った相手だ。面堂終太郎というのだが、神谷流同様に明治発展の撃剣の使い手だ」

 

「神谷流の?」

 

「強いのか?」

 

「この風林館高校の青い雷と異名を持つこの九能帯刀(くのう たてわき)が年下に負けるわけが無かろう。未だ敗けを知らぬ全勝中だ。ただ、アイツはキレると日本刀を抜く」

 

「えぇ?」

 

負けたら日本刀を抜くって、どういうことですか。居合道の部活もあるということなら理解できるけど。それか、帯刀(たいとう)許可証を持っているのならいいけど。

 

私も帯刀許可証を持っている。

 

「俺も戦いたい」

 

「なら剣道部に入れ」

 

そう言って九能先輩はライム君を勧誘する。多分、私達のためにライム君の事を剣道部に繋ぎ止める気だ。フフ、九能先輩は本当に優しい人だね。

 

 

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