「門、新調したのかな?」
綺麗になった校門を潜り抜ける瞬間、イヤな気配を感じて背中に仕込んでいた槍を引き伸ばし、真上を突き上げると九能先輩のお父さん、校長先生がバリカンを構えて逆さまになっていた。
校長先生に困惑していたとき、強烈なパンチを槍の柄を縦に構えて受け止めるけど。総鉄拵えの槍の柄はひしゃげ、拳の形がくっきりと残っている。
これは、壬生先生の左ジャブだ。
「何してるんですか、先生」
「僕も知りたいぐらいだよ。最近、子供が生まれたばかりなのに仕事もせずに生徒の髪の毛を刈るなんて本当はやりたくないんだ」
そう言っているクセに視認できない速さを誇るジャブの速射砲を打つ壬生先生に気圧され、だんだんと校門の外に押し出そうとしている事に気付く。
「覇極流、槍転脚!」
棒高跳びの様に槍を軸に先生達の頭上を飛び越え、着地と同時に二人にお辞儀を送り、トタトタと下駄箱に向かったとき、異様に膨れ上がった下駄箱を見つける。
「わ、わはあぁーーーっ!!」
「……其処、三年生の下駄箱だよ?」
そうライム君に伝えて階段を上がろうとした瞬間、五寸釘君のハンマーが目の前を通りすぎる。みんな、今日は異常すぎる程に私を狙うね。
「
「切ちゃん、ほんま堪忍なぁー!」
「もう、みんなどうしたのかな」
「糸色すまん!」「糸色さん、ごめんなさあーい!」「えいやっ!」「せめてひと思いに!」
ワラワラと集まってきたクラスメート達の関節を軽めに外し、動けないように固定する。まあ、みんなが本気で身体を動かせば簡単に接合できる程度に攻撃を加えつつ、身体の動きを止めただけだけど。
「切さん…!」
「あかねさんまで?」
「ごめんね!」
「せめて理由を聴かせて欲しいかな」
「OH!!答えはコレでーす!」
バサバサと校長先生のばら蒔く紙を手に取る。
『糸色切の髪を刈った者、暫しの宿題免除』
あまりにも陳腐な報酬にスンとなる。
「…………………」
「あ、やべえな。糸色流仙術だ」
句君の言葉にみんなが警戒する。
「撃・爆砕ッッッ!!!!!」
地面を踏みつけた瞬間、私の「気」は炸裂し、大爆発を引き起こす。仙術は基本の「気功法」。さらにその上に存在する「理」がある。
理は、自然の力を使うこと。
私の場合は「火」と「鉄」の混ざった「爆発」だ。
「ば、爆発するパンチは無理!」
「「こわっ」」
「……しゃらー、ブッ飛ばす」
校長先生、ブッ飛ばす。
もう加減なんてしない。
絶対にぶん殴る。