何だかんだと恋運ぶ呪いの花   作:SUN'S

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抗水石鹸を我が手に 序

久しぶりに溜まっていた本を読んでいたら、ルンルン気分の小鎌さんが小躍りしていたので、なにか嬉しいことがあったのかと訊ねたところ。

 

「抗水セッケン?」

 

「えぇ、呪泉郷の通販に乗っていたわ。ほら、このチラシに書いてあるでしょう?」

 

「……即席男溺泉?」

 

「本条家の呪いの素ね」

 

意外と変わったものを売っているなと感心していたとき、呪いのアイテムやら、あきらかに人としてダメな物がかなり売っている事に気付いた。

 

「麝香王朝旅行チケット?」

 

「ライムの故郷(こきょう)か」

 

「おう。俺の故郷(ふるさと)だ」

 

五寸釘君に借りたというテレビゲームに熱中する句君とライム君の二人にチラリと視線を向ける。麝香王朝、どういうところなんだろう?

 

「そういえば聞きたかったんだ。アタル、お前はどうやって女と触れ合っているんだ?」

 

「なびき先輩の嫌がる事はせず、真っ正面から愛を叫んでいるだけだ」

 

「出たわね、男のLOVE特攻」

 

「姉ちゃんも早く彼氏作れよ」

 

「作りたいわよ!?でもね、みんな私の覇者形態(ラオウ・モード)にドン引きするのよ!!ううぅぅっ、句が受け継げば良かったのにぃぃ……!!!」

 

「えと、糸内家(いとうちけ)(ひつじ)君とかどう?」

 

「糸内家って、しとり様の四女の血筋よね?」

 

「うん。今は確かサージェス日本支部の重役を勤めている人の多い家系かな。あの子は優しいから小鎌さんも分かり合えるよ?」

 

「いや、あの子って切さんを好きじゃない」

 

「え?」

 

「あ、ごめん。今の無しでお願い」

 

し、知らなかった。

 

こっちに引っ越す前は毎日遊びに来るくらい仲良しだったけど。まさか私の事が好きだったなんて……い、いや、小鎌さんの勘違いかともしれないし。

 

やっぱり、年上に憧れる年頃なのかな?

 

そんなことを考えていると「そういうところでモテるのが分かれるのかしら」と小鎌さんが呟く。ただ、諦めではなく納得の声色だと思う。

 

なにに納得を?と小首を傾げながら、彼女の見つめる視線に困惑する。別に悪いことはしていないのに、なんだか不思議な気分になる。

 

「この胸が決め手なのかしら?」

 

「小鎌さんも大きいよ?」

 

「くっ…!」

 

なにか気に触ることを言っただろうか。

 

そう思いつつもチラリに視線を戻して、色々と残っているものを見る。やっぱり、呪泉郷って変わったものが沢山あるのかな。

 

私もすごく気になるものもある。

 

「姉ちゃん、ゲームやろうぜ」

 

「き、キリ、ゲームだ!」

 

「小鎌さん、やる?」

 

「私、弱いわよ?」

 

 

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