お爺ちゃんに貧力虚脱灸を受けた早乙女君の事を聞き付けたムースや五寸釘君、校長先生までもが早乙女君の事を追い掛け回している。
「キリ!弱くなったなら守るぞ!」
「くっ、大丈夫だから突撃しないで!」
「待ってくれ、切ちゅわあん!」
私もライム君やお爺ちゃんに追われている。
お爺ちゃんは私の事を狙う人を倒すという名目を掲げているけど。早乙女君に貧力虚脱灸を据えたのは変えられない現実だと思う。
そう思いながら抱き付き攻撃を仕掛けてきたライム君の手首を掴み、力を一切使わずに地面に叩きつける。櫛灘流の技は力0のまま相手を投げ飛ばす。
けど、驚異的なタフネスを誇るライム君には無意味だと直ぐに切り替えて校庭を走っていたとき、校門に黒い車が停まっているのが見えた。
「(あの家紋は糸色家の物、四人目の許嫁がやって来たと考えるべきかな)」
なにより私の身体に貧力虚脱灸を据えた男の人も一緒に居ることが一番の理由だ。多分、お爺ちゃんやお婆ちゃんと同じタイプの達人だ。
そんなことを思いながら車の後部ドアを開けて出てきた男の人に思わず、私は身体を強張らせ、私の事を追い掛け回していた二人も警戒心を高めている。
「
「……
「ハッ。言ってろよガキが」
ゆっくりと言い返す。
糸色姿の四人の子供の中の次男の家系であり、修行と称して無理難題を押し付け、糸色家の家宝「蛮竜」に選ばれなかった怒りをぶつけるように、格闘技の修行中に
「要件は分か……本条家の姉弟か」
彼の言葉を遮るように鎖分銅を投げつけ、大鎌の刃を首に添える小鎌さんと句君の顔付きは無その物で純粋な殺意を糸方褸に注いでいる。
「アンタ、糸の家系もウチの家系からも勘当された人間でしょう。そんなアンタが許嫁なんて……一体、どういうトリックを使ったのかしらぁ?」
「
「冗談でしょう。誰がアンタなんかと」
「そもそも大の男が子供に盛るなよ」
そう、糸方褸は、妙様と同い年である。
つまり、23歳の男の人だ。
「切、どうだ。俺と結婚しようぜ」
「お断りします。私、彼氏居るし」
「殺せば問題ないだろ」
やっぱり、おかしい人になってる。