女傑族の秘拳・飛竜昇天破の特訓を始めた早乙女君を応援したかったけど。流石に何日も早乙女君達と一緒に山籠りしていたら小鎌さんや句君に心配を掛けるから私は途中で帰ることにした。
山の麓に降りて、二人に手を振る。
「遅くなってごめんね」
「別に問題ないわよ。私達は切さんを守るのが役目だけど、貴女の行動を束縛して締め付けるなんていうことをしたい訳じゃないから」
「オレも姉ちゃんと同じだ」
「フフ、ありがとう」
そう話しながら歩いていると、また視線を感じる。
お爺ちゃんの視線だ。私の事を心配してくれるのは分かるけど。それなら早乙女君と話し合って、しっかりとお互いを許してあげてほしいかな。
そう思いながら後ろに振り返ると、下着を持って徘徊するお爺ちゃんがいた。うん、そういうところも本当に治してほしいかな。
流石に、少しだけ悲しい気持ちになる。
「乱馬のヤツは勝てそうなのか?」
「お爺ちゃんが乗ってくれたら勝てるよ」
「スケベ爺が乗るわけないわ」
「確かにな。でもさ、切ちゃんと姉ちゃんの二人が水着になったら捕まえられるんじゃねえか?」
「「寒いから嫌よ」」
句君の呟きを否定しつつ、こんな寒い時期に水着なんて着たから風邪を患うかも知れない。そうなったら、みんなに迷惑を掛けるからダメだね。
「そもそもッ、そもそもよッ!切さんと一緒に水着になったら悔しくなるのよ!!」
「え、なんで?」
「見なさい、この胸を!」
「?」
「姉ちゃんと同じぐらいだろ」
「10cmも違うわいっ!」
あの、そんな大声で言わないでもらえる?と考えながら、ささっと胸を隠す。句君は天道先輩一筋には知っているけど。やっぱり恥ずかしい。
「まあ、二人よりオレの方がでかいが」
「はぁ?」
「オレの胸筋の方が上だ」
そう言うと腕を組む句君。
「筋肉、いいですよね」
「私は、弟の筋肉にも負けるの?」
ものすごくショックを受けている小鎌さんには申し訳無いけど。普段から筋トレばっかりしている句君と比べるのは難しいんじゃないかな?
「ところで、ライム君は来ないの?」
「ゔっ、その、今のキリは近付いたら危ない」
「……フフ、心配してくれるんだね。ありがとう」
「お、おお!」
「出たわよ、糸色特有の誑し。ウチの家系も他の傘下もあれで堕ちたんでしょうね。私でもあんな風に微笑まれながら頭をナデナデされたらドキドキするわよ」
「ああ、なびき先輩がいなかったら危なかったかもしれねえぜ」
ヒソヒソと何を話しているのかな。
悪口じゃ無いんだろうけど、怪しいかな。