風林館高校の校庭。
早乙女君は八宝斎のお爺ちゃんに果たし状を送りつけ、もしも負けたら言うことを聞くという条件を付け加えて、呼び出すことに成功した。
「オレに勝ったらコイツをくれてやる!」
そう宣言して取り出したのは小鎌さんに撮って貰った私の写真だ。まあ、着物やチャイナ服、ドレス、水着を着ているだけの普通の写真だけど。
ツーショットの写真もいくつかある。
「早乙女乱馬ああああああああっ!!」
どどぉーんっ、とエッチな闘気で大きくなったお爺ちゃんの叫び声に九能先輩の声は掻き消されてしまい、吹き飛ばされた九能先輩はグラウンド脇の土手に突き刺さり、グルグルと目を回している。
……可哀想だから膝枕してあげるね。
必死に逃げる早乙女君に恨みを持つ、ムースや五寸釘君、校長先生も攻撃に加わり始め、闘気の螺旋は想像以上に大きく膨れ上がっていく。
このまま行けば、飛竜昇天破は撃てる。
しかし、あの渦に撃てば私達も巻き込まれる。どうやって対処しようかなと考えていたとき、あかねさんが駆け出していく姿が見えた。
「止めないの、早雲さん」
「あかねと乱馬君の問題だ。父親である私が割り込んでしまっては意味はない。早乙女君もそう思って、パンダになっているんだ」
【そのとーり!】
二人の言いたいことは分かるけど。
飛竜昇天破の強さは寝崑崙で知っている。未完成版の飛竜昇天破でも楼閣を吹き飛ばせる破壊力を有している一撃が、お爺ちゃんの本気で撃てば────。
「飛竜昇天破ぁ!!!」
そう思っていた刹那、早乙女君の雄叫びと共に闘気は渦を成し、巨大な竜巻を生み出してお爺ちゃん達の事を殴り飛ばす。
やっぱり、想像以上の破壊力だ。
「切さんッ、此方に!」
「巻き込まれたくないヤツはオレの鎖掴め!!」
テニスコートを囲うフェンスに身体を巻き付け、鎖を伸ばして巻き込み防止を行う小鎌さんと句君の優しさに嬉しく思う反面、私は九能先輩もいるから動けない。
「(どうしようかな、九能先輩。このままだと巻き込まれちゃうし、素直に受け止めるにしても気功法の使えない私じゃ絶対に不利だ)」
「……ッ、すまない。吹き飛ばされえええっ!!?」
「ひゃあっ!す、スカート掴まないで!?」
グンと竜巻に引っ張られた九能先輩にスカートを掴まれ、慌ててスカートを押さえるものの、九能先輩と一緒に竜巻に巻き込まれてしまう。
「九能先輩っ、スカート離して!」
「ぐぬおっ、すまない!」
顔を赤くしながら、そう訴える私になぜか九能先輩まで顔を赤くしている。