ごめんね。
「ぢ、ちぐじょぉ……」
「早乙女君?」
商店街の古本屋で本を探しているとボロボロにされた早乙女君が路地から現れ、なんだか本当に大変そうに思えてしまった。
でも、素直に謝らないのもダメかな。
売り言葉に買い言葉なのは仕方なかったかも知れないけど。好きな女の子を虐めるのは悪いことだし、意地を張って後悔するのは自分だよ?
ゆっくりと早乙女君の近くにスカートを押さえながらしゃがみ込んで彼の背中を軽く突いてみる。最近、私は戦っていないから槍も手入ればかりだ。
いっそのこと刺してみようか。
「すんげえ好奇心に満ちた目だな」
「あ、起きちゃった」
「おめぇ、さては刺す気だったろう」
「気のせいかな」
そう言うと早乙女君は怪しむように私の事を見つめた瞬間、お爺ちゃんに頭を踏まれ、次々とお爺ちゃんに下着を盗まれた女の子達にも踏まれる。
「……大丈夫?」
「で、でぇじょぶ」
「?」
ピクピクと痙攣している早乙女君を古本屋から少し離れたところにある右京さんの家に届け、右京さんに「ほんまにええ?ウチ、何するか分からんよ?」と言われたけど。
右京さんもあかなさんもシャンプーも小太刀さんもみんな友達だから平等に応援してあげたい。だけど、私も何人も許嫁がいるから一人だけを応援できない。
「じゃあね」
「ウチ、がんばるよ!」
気を失っている早乙女君に妖しい目を向けていたけど。多分、大丈夫かな。たまに九能先輩も私に似たような目を向けてくるし。
……それにしても、早乙女君の意地っ張りな性格は早乙女玄馬からなのかな?と考えながら買えた古本を読むために喫茶店アミーゴを目指していたとき、カシャッとカメラのシャッターを切る音が聴こえた。
「いきなり写真を取らないでほしいかな」
「ああ、わるい。知り合いに似てたんだ」
「そう、なの?えと…」
「ツカサだ。楯敷ツカサ、楯を敷くと書いて楯敷。他の糸色に比べると不思議なぐらい圧がないが、普段はセーブしてるのか?」
「……ソッチ方面の人かな。悪いけど、私は気功法は使えても霊能力は下手だよ。お父さんは凄く強い霊能力を使えるからそっちに頼もうか?」
私がそう聞けば「いや、今は問題ないさ。けど、わりと危なくなったら相談に来るかもな」と返され、続けるように「おやっさんの店に行くなら付き添うぜ?」と言われた。
成る程、この人が居候している人だ。
変わった気配をしているけど、なにか変なものが纏わりついているかな。仮面のおばけかな?どこで取り憑かれたんだろう。