何だかんだと恋運ぶ呪いの花   作:SUN'S

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悪魔襲来、八宝斎の仕業 急

猫飯店で相談した翌日、九能先輩に呪泉郷からやって来た相手の事を伝えると「パンストを被った変態が切君を襲っただと!?」と伝え方を間違ったのか。

 

すごく怒りながら登校途中なのに犯人を探すために走り出してしまった。落ち着いてから、せめて学校の中で話せば良かったかなと思いつつ、パラパラと降り始めた雨に傘の留め具を外して広げる。

 

「ぐふっ。見つけたぞ」

 

「がふッ!?」

 

一瞬、視界を傘で遮った瞬間、いきなり放たれた蹴りを鞄で受け止めるも蹴りの衝撃を防ぎきれず、私は地面を跳ねるように吹き飛ばされた。

 

左手で傘を差したままスカートの中に隠していた片鎌槍の柄を振るうと同時に引き伸ばし、フェンスに傘の「つ」の字状のグリップを引っ掛けて構える。

 

「貴方、何者?」

 

古びたマントを纏った相手を睨む。

 

さっきの声から察するに犯人は男の人だ。背格好は早乙女君と同じぐらいだけど、あのマントの裏側に武器を隠している可能性もあり得る。

 

そう思いながら観察を続ける。

 

あのマントは雨具の代わり。おそらく早乙女君やムース、シャンプー、小鎌さんと同じく特異体質の持ち主だ。変身したら何になるのか分からないけど。

 

「どうした。掛かって来ないのか?来ないのなら此方から行くぞ!!」

 

「鞭!?……え、パンスト?」

 

片鎌槍の柄に巻き付いてきたものに困惑しながらも穂先を地面に突き立て、スカートの内側に隠していた二本目の槍を引き伸ばして突きを繰り出す。

 

「二本の槍か、面白い」

 

「誰が二本なんて言ったかな?」

 

くるりと一回転してスカートを翻し、地面に十七本の槍が突き刺さり、左右の袖口から十二本ずつ合計二十四本の槍が、背中から九本の槍が円を描くように飛び出す。

 

「私は五十本の槍を同時に使えるよ」

 

「ぐふっ。面白い。此方も本気を出そう!」

 

バサリと雨具を外した彼は端正な顔立ちをしており、小鎌さんが居たら「ハンサムな男だわ」と喜んでいたと思える感じの人だ。

 

そう感心していたとき、ぼこりと彼の身体が大きく膨れ上がっていき、身体は分厚い体毛に覆われ、全身が茶色に変わると牛かゴリラか分からない生き物になった。

 

「ぐふっ」

 

ニヤリと笑う男。

 

「(何の生き物だろう?呪泉郷の重複効果とかあるのかな、それならキメラめいた見た目も頷けるけど。絶対にパワーで押し切るタイプだ)」

 

左右の手に3本ずつ槍を構える。

 

大きな人と戦うのには慣れてるけど。

 

正直、動物の力を人間形態に近い状態の人と戦うのは初めてだ。ちょっとだけ妙様の言っていた「強い相手と戦えることはすごくドキドキする」という意味が分かってきたかも知れない。

 

 




【概要用語解説】

本作の単語や転生者、その親族を解説します。

本条句(ほんじょう あたる)


【挿絵表示】


本名「本条句(ほんじょう あたる)」。繋ぎ読みは「絶句(ぜっく)」。
年齢は16歳。身長182cm。
「さよなら絶望先生」および「るろうに剣心」に登場するニ家の血筋を受け継ぎ、生誕した現地人。糸色姿と本条鎌足の子孫であり、一つ年上の姉に本条小鎌がいる。

天道なびきに一目惚れして以降、あの手この手を使って婚姻の約束を掴み取るなど執念深く、筋トレと姉、糸色切の事を大事に思っている。実は姉が悪い男に騙されないようにガードしている。早乙女乱馬、響良牙、ムースとは良く組手をしている。

好きなものは鱈のムニエル。

・筋トレ

日々是精進、己を磨く。

大事な人達を守るために、その身を強靭な楯とするために、彼は努力を惜しまない。ひたぶるに強さを求める。すべては大事な家族を守り通すために捧ぐ。

・天道なびき

十六年の生に於いて、初めての恋。

必ず振り向かせてみせる。
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