かすみさん、天道先輩、右京さん、シャンプー、四人の女性が一瞬の内に消えてしまった。天道先輩とかすみさんは兎も角、右京さんとシャンプーがそう簡単に捕まるのは思えない。
私の事を襲った影の事も気になる。
相当な手練れと考えるべきなんだろうけど。あかねさん、私、小鎌さん、お婆ちゃんも入れたら残っているのは四人になるものの、囮は早乙女君だ。
「シャンプーのためだ。大人しく食われるだ!」
「あかねさんのためにくたばっちまえ!」
「てめえら、オレはどうなってもいいのか!?かわいい女の子だぞ、食われたら恨んでやるからなあ!」
「お前よりあかねさんだ」
「貴様なんぞシャンプー以下じゃ」
何だか大変な喧嘩を始めているけど。早乙女玄馬の拳骨を受けた早乙女君は気絶し、その間に手を縛られ、囮として砂浜に固定された。
一応、護身用と脱出用に槍の一本を渡している。柄を伸ばさなければ短剣のように扱えるし。早乙女君もナイフならサバイバル生活で使っているはずだ。
「乱馬、大丈夫かしら」
「もしものときはオレ達がいますよ!」
「あのまま食われればシャンプーはオラのものになるかもしれんが、見捨てたら怒鳴られそうじゃ。それだけは絶対にイヤだ」
「おさげの女、何処から来たのだ?」
「九能先輩、まだ気づいてないの?」
まあ、九能先輩は早乙女君が女の子に変身するところを目撃した事は一度もないし。もしかしたら、そういう運命だったりするのかな?
そんなことを考えながら静かに早乙女君の事を見つめていたその時、私の身体とあかねさんの身体が地面に吸い込まれ始める。
「きゃあっ!?」
「しまっ!?」
九能先輩と響君、ムースの三人が私達の手を掴んでくれたのに、地面に吸い込まれる勢いが増し、身体が胸のところまで呑み込まれていく。
「良牙、影を打つのじゃ!!」
「九能ッ、地面を斬れい!!」
お婆ちゃんとお爺ちゃんの声が響く。
「爆砕点穴ッ!!」
「一文字流、微塵剣ッ!!」
「ふんがあぁーーっ!!」
爆砕点穴によって地面は炸裂し、僅かに見えた人影に向かって百を越える斬撃が繰り出され、ムースが私とあかねさんの身体を引っ張り出してくれたおかげで、地面に呑み込まれる事はなかった。
「おめえらオレも助けろおぉ!?」
「乱馬、座して使う技は教えたじゃろう?」
「あんなん使えるか爺!」
「しようのない弟子じゃのう……ほれ!」
早乙女君の頭の上に着地していたお爺ちゃんが地面にキセルを叩きつけた瞬間、地面が弾け、人影が波打ち際まで飛び退く姿が見えた。
エッチなところが無ければ強いのにね。