何だかんだと恋運ぶ呪いの花   作:SUN'S

237 / 237
消える乙女達 急

「孫悟空?」

 

ポツリと呟いてしまったものの、直ぐに「そんごくう?オレの名は猿十流(サルトル)でござる!」という言葉と共に放たれたパンチを受け止め、砂浜に向かって小手投げのように手首をひねって叩き落とす。

 

しかし、身体を捻って私の事を投げた。

 

早乙女君達より弱い。けど、動きを真似るのは上手いかな?と思いながら九能先輩の真横まで飛び退き、不自然に煌めき、空間の裂ける先に立っている男の子に集まるように私達を襲っていた影が集まる。

 

「ひい、ふう、みい、なんだ。まだ三人も残っているじゃないか。お前達、ちゃんと見逃さずに捕まえるように言っていただろう」

 

「はっ。申し訳ありません、桃磨様」

 

とうま。

 

あの子の名前を知れたのはいいけど。かすみさん達が向こうの人質になっている以上、そう簡単に手出しする事は出来ないというより危険だ。

 

「さて、用件はそこにいる女の子達を渡して貰うことだ。君達も痛い目には遇いたくないだろう」

 

もしも連絡手段を持っていたら彼女達に危害を加える可能性も有り得る。その事に気付いているお爺ちゃんとお婆ちゃんは気配を静め、敢えて静観している。

 

「っるせぇ、んなことどうでもいい!?」

 

「オラの可愛いシャンプーを返すだ!!」

 

「うるさいなあ。男に用は無いんだ。そこのお嬢さん達、素直に着いてきて貰えるかな。手荒な真似はしたくない。それに、君達も男にはなりたくないだろう?」

 

そう言って「とうま」と呼ばれた少年がヤシガニに瓢箪の中の水を掛けた瞬間、ヤシガニは桃色に光って野人のような男の人に変身した。

 

「まさか、あれは!?」

 

「男溺泉か!?」

 

「これで分かったろう。男になりたくなかったら素直に着いてきて貰えるかな」

 

「句、アンタもみんなも落ち着きなさい。先ず、私達を呼ぶ理由を聞こうかしら?用件によっては此方も武力行使に変わるわよ」

 

「用件は僕の花嫁候補を見繕う事さ」

 

その言葉を聞いた瞬間、私と九能先輩は思わず顔を見合わせて、小鎌さんもキョトンとした表情を浮かべ、「とうま」の事を見つめる。

 

すぐに小鎌さんは意識を切り替える。

 

「成る程、用件は分かったけど。私達は花嫁候補に該当しないんじゃないかな」

 

「!……へえ、なんでだい?」

 

私の方を見て目を見開く「とうま」に小首を傾げつつ、私は木刀を構えている九能先輩の左腕に抱きつき、分かりやすく教える。

 

「私と九能先輩はもう結婚しているんだよ。此方の小鎌さんは結婚済みの人妻だからね!」

 

そう言って私と小鎌さんは薬指の指輪を見せつける。

 

「ふぅん、そっちの女の子は?」

 

「あかねはオレの女だ!」

 

「貴様ッ、あかねさもがっ」

 

響君は静かにしようね。

 

「乱馬…」

 

「かすみさんやなびき、うっちゃんもシャンプーだって他に相手がいる!とうまとか言ったな、おめえは浮気は悪いことだって知らねえのか!!」

 

そのとおりだよ!

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

【完結】からくりと踊り謡う薄命の花(作者:SUN'S)(原作:からくりサーカス)

彼女は才賀家の令嬢だ。▼かつての大戦から十数年後。穏やかに過ごしてきた糸色家の血筋の少女は不思議なからくりと道化師達に出会うことになる。▼さあ、天幕の上がり、開幕はもうすぐ───。▼ちなみに令嬢さんは私の書いた「某剣客浪漫世界で私は物書きをする」および「もしも「るろ剣」の世界に糸色景がいたらのスレ」に登場する絶景先生こと糸色景の子孫に当たります。▼【本編】▼…


総合評価:291/評価:7.71/完結:255話/更新日時:2026年02月23日(月) 22:05 小説情報

【完結】風薫る日陰に寄り添う妙花(作者:SUN'S)(原作:うしおととら)

彼女は糸色家の子女だ。▼幼き頃より妖怪やホムンクルス、神々など様々な生き物と交流し、この世の終わりを齎す大妖怪「白面の者」を倒すために生きる運命を背負う。▼ちなみに子女さんは私の書いた「某剣客浪漫世界で私は物書きをする」および「もしも「るろ剣」の世界に糸色景がいたらのスレ」に登場する絶景先生こと糸色景の子孫に当たります。▼【本編】▼https://syose…


総合評価:359/評価:7.5/完結:204話/更新日時:2025年11月30日(日) 22:05 小説情報

コズミックイラのマチュ ~ロリニュータイプの日本再興記~(作者:アキ山)(原作:ガンダム)

拙作、『ダイクン家の二女はアホの子』に載せていたコズミック・イラの話を独立させました。▼ マチュことマリ・ヤマトはハルマ・ヤマトとカリダ・ヤマトの間に生まれた一粒種。▼ 兄のキラと仲良く暮らす元気いっぱいのゲーマー小学生だ。▼ しかし、彼女には兄には話せないもう一つの顔があった。▼ その身に流れる高貴な血の運命と祖国再興という命題。▼ コズミック・イラという…


総合評価:1172/評価:7.77/連載:7話/更新日時:2026年04月13日(月) 13:52 小説情報

転生して型月版・沖田総司になったけど、労咳を克服したら明神弥彦の母になっていた件 〜るろ剣世界で最強のママやってます〜(作者:だいたい大丈夫)(原作:るろうに剣心)

かつて京都を震撼させた「人斬り抜刀斎」と並び称された、新選組一番隊組長・沖田総司。▼労咳の運命を越え、彼女が手にしたのは平穏な明治の世と、亡き夫が残した一人息子・弥彦だった。▼しかし、その剣はまだ、錆びついてはいない。▼「たまには人を斬っておかないと、腕が鈍るでしょう?」▼昼は息子の教育に頭を悩ませる士族の未亡人。夜は月夜に紛れ、暗殺者として死体の山を築く。…


総合評価:2941/評価:6.97/連載:75話/更新日時:2026年05月13日(水) 12:32 小説情報

推しの子のXYZ(作者:断空我)(原作:推しの子)

シティーハンターの仲間であり息子の堀江一と嘘つきで究極のアイドル星野アイ。▼この二人が出会ったことで本来の流れと大きく異なっていく。▼嘘つきのアイドルと最強のスイーパーによるラブロマンスがはじまる。▼「一~、さっきの女性と何を話していたのかな?ねぇ」▼「笑顔だけど、じりじり近づいてくるな。なんか、怖い」▼その筈である。▼推しの子とシティーハンターのクロスオー…


総合評価:257/評価:6.86/連載:9話/更新日時:2026年02月14日(土) 22:08 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>