「孫悟空?」
ポツリと呟いてしまったものの、直ぐに「そんごくう?オレの名は
しかし、身体を捻って私の事を投げた。
早乙女君達より弱い。けど、動きを真似るのは上手いかな?と思いながら九能先輩の真横まで飛び退き、不自然に煌めき、空間の裂ける先に立っている男の子に集まるように私達を襲っていた影が集まる。
「ひい、ふう、みい、なんだ。まだ三人も残っているじゃないか。お前達、ちゃんと見逃さずに捕まえるように言っていただろう」
「はっ。申し訳ありません、桃磨様」
とうま。
あの子の名前を知れたのはいいけど。かすみさん達が向こうの人質になっている以上、そう簡単に手出しする事は出来ないというより危険だ。
「さて、用件はそこにいる女の子達を渡して貰うことだ。君達も痛い目には遇いたくないだろう」
もしも連絡手段を持っていたら彼女達に危害を加える可能性も有り得る。その事に気付いているお爺ちゃんとお婆ちゃんは気配を静め、敢えて静観している。
「っるせぇ、んなことどうでもいい!?」
「オラの可愛いシャンプーを返すだ!!」
「うるさいなあ。男に用は無いんだ。そこのお嬢さん達、素直に着いてきて貰えるかな。手荒な真似はしたくない。それに、君達も男にはなりたくないだろう?」
そう言って「とうま」と呼ばれた少年がヤシガニに瓢箪の中の水を掛けた瞬間、ヤシガニは桃色に光って野人のような男の人に変身した。
「まさか、あれは!?」
「男溺泉か!?」
「これで分かったろう。男になりたくなかったら素直に着いてきて貰えるかな」
「句、アンタもみんなも落ち着きなさい。先ず、私達を呼ぶ理由を聞こうかしら?用件によっては此方も武力行使に変わるわよ」
「用件は僕の花嫁候補を見繕う事さ」
その言葉を聞いた瞬間、私と九能先輩は思わず顔を見合わせて、小鎌さんもキョトンとした表情を浮かべ、「とうま」の事を見つめる。
すぐに小鎌さんは意識を切り替える。
「成る程、用件は分かったけど。私達は花嫁候補に該当しないんじゃないかな」
「!……へえ、なんでだい?」
私の方を見て目を見開く「とうま」に小首を傾げつつ、私は木刀を構えている九能先輩の左腕に抱きつき、分かりやすく教える。
「私と九能先輩はもう結婚しているんだよ。此方の小鎌さんは結婚済みの人妻だからね!」
そう言って私と小鎌さんは薬指の指輪を見せつける。
「ふぅん、そっちの女の子は?」
「あかねはオレの女だ!」
「貴様ッ、あかねさもがっ」
響君は静かにしようね。
「乱馬…」
「かすみさんやなびき、うっちゃんもシャンプーだって他に相手がいる!とうまとか言ったな、おめえは浮気は悪いことだって知らねえのか!!」
そのとおりだよ!