「クラブの方が使いやすいわよ、あかねさん」
「本条先輩、ありがとうございます」
「気にしないで良いのよ。ウチの愚弟と仲良くしてくれるだけで私は本当に助かっているし。なんなら貴女のお姉さん達にもらって欲しいんだけど」
「いや、流石にそれは…」
「そうだぞ。姉ちゃん、失礼だろう」
そう不満を見せずに句君は鎖分銅術の使い方をあかねさんに教えつつ、リボンに応用できるところを分かりやすく実践している。
緩やかに速度を速めるリボンの動きを真似て私もリボンを振ってみる。意外と簡単に出来るけど、何時間も維持するのはまだまだ難しそうだ。
「本条流、乱弁天。本来は大鎌と鎖分銅の二つでする大技なんだが未だに大鎌は行方知れず、天道は何も知らないんだよな?」
「お父さんもおじさんも知らないって言っているし。二人の話していた八宝斎が何処かに隠しているのか。あるいは、別の誰かが持っているんじゃない?」
大鎌。そういえば九能先輩の屋敷で見たような気もするけど。流石に気のせいかな?サスケって呼ばれていた忍者が草刈りに使っていたような?
流石にあり得ないですね。
「しかし、黒バラの小太刀ねえ?九能君と良い、自分で名乗るのも恥ずかしい異名をよく名乗れる」
「そういう男なのよ、九能ちゃんはさ」
「天道先輩!こんばんは、お邪魔しています」
「えぇ、こんばんは。あかねもまた大変なのに絡まれてるわね、おまけに乱馬君を賞品にされて」
「そっちは別に良いのよ。あたしが怒ってるのは、深夜に部屋に来るなり、黒バラを撒いて逃げたアイツをブッ飛ばしたいだけだから」
深夜に部屋にきたの?
「あかねさんって変なのを引き寄せる体質なのね」
「切さんも人の事言えないわよ」
「そう?」
私はそんなこと考えたこともなかったけれど。私の周りにも変なのはいるのだろうか?と小首を傾げながら、句君を見ると「多分、オレの事だろうな」と一人で納得していた。
句君は変なのじゃなくて、お友達だよ?
「にしても、大分様になってきたなぁ」
「四人に教えて貰ってるから上達は速いわよ。まあ、流石に四人が次々と教えに来るのは頭の中を整理できなくて混乱するときあるけど」
あかねさんを困らせるつもりはないかな。小太刀さんともお友達なの事実、でも不得手なほうを手助けしてしまうのは仕方ない。
……やっぱり、ちょっとだけズルい言い方かな?
あとで小太刀さんのところにも行って練習のお手伝いをしたほうが良いと思う。うん、そのほうが今よりもずっといいかな。