あと何回の審査があるのかと考えて、辟易としていたそのとき、ドアを大胆に蹴破って現れた天道早雲と早乙女玄馬の二人に目を向ける。
「侵入者だ、捕まえろ!」
その叫び声に反応し、私の方に鋏や包丁、菜箸を持って向かってきた女の子達の手首の関節を竜頭拳で突き、小鎌さんのほうに集まっていく集団がシンプルに殴り倒される姿に哀れみの眼差しを送る。
私の護衛を受け持つ小鎌さんが弱いわけが無いのは分かりきっているのに、命令を受けた彼女達は本当に仕える相手を間違えているかな。
「僕の花嫁を返して貰おう!!」
テーブル諸とも桃幻郷の兵士を薙ぎ倒し、木刀を桃磨に突きつける九能先輩の姿にドキドキとしながら、此方に目配せする天道先輩達を連れて、壁際に集まる。
「良かったわね、切ちゃん。あなたの王子様がやって来てくれたわよ」
「うん。すごく嬉しいかな」
そう言いながら私はドアではなく壁を粉砕して現れた句君の姿にドン引きした。ほとんど身に付けているものが弾け、水着一枚の彼が蒸気を出して佇んでいる。
「オレの女を奪ったヤツはドイツだァ!!」
「お姉ちゃん、オレの女だってさ」
「……フン。まだ告白を受けたつもりは、ないわ」
ぷいっと顔を逸らす天道先輩をクスクスと笑っていた刹那、桃磨が玉座を降りて、私達の目の前に現れたかと思った次の瞬間、あかねさんが引っ張り出された。
「決めた。僕の花嫁は君にしよう。お前達、残りの女は好きにしていいぞ!」
「ちょ、やだ!」
「やったね!これで乱馬は私のものある!」
「あ、抜け駆けは許さんで!」
桃磨のふざけた言葉によってお見合い会場に集まっていた女の子達は次々と連れていかれ、私のところに群がってきた兵士達を躱し、九能先輩の元へと飛び跳ねる。
「迎えに来たぞ。切君」
「フフ、待ってたよ」
ゆっくりと差し出された如意棍槍を受け取って柄を振るうと同時に引き伸ばし、構える。幹部クラスは居ないから問題ないけど。
「あらあら、どうしましょう」
「句君、連れていかれるから早めに来なさいよー!」
「ブッ殺す!」
「離さんかい!ウチは乱ちゃんに」
「乱馬!私を助けるよろし!」
「オラのシャンプーになにするだぁ!!」
…………右京さんは兎も角、シャンプーはわざと連れていかれているのが分かった。こういうところで変な作戦を思い付くんだから本当にもう。
「全く馬鹿者共めらが」
チラリと一人だけ取り残された小鎌さんを取り囲み、ジリジリと間合いを詰めている兵士達の前に
「ぐふっ。迎えに来たぞ。唱」
「あら、かっこいい太郎も来てくれたのね」
「嫁のピンチだ。当然だろう」
今のドアを使えば日本に帰れたのでは?